2010 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類初期発生におけるリンカーヒストンとクロマチンのエピジェネティクス機構の解明
Project/Area Number |
21592109
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 守 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20207145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮越 敬 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265883)
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Keywords | リンカーヒストン / クロマチン / 卵子 |
Research Abstract |
Hlfooノックアウトマウスを引き続き使用し、バッククロスマウスの作成、および、遺伝子型、表原型の解析をおこなった。ホモマウスを作成し、さらにホモマウスが致死性かどうかを長期間にわたって観察した。雌ホモマウスから産まれた産仔数の雄雌の比に特に差異は認められなかった。さらにホモマウスの長期飼育においても、2年間の観察を行ったが特に寿命に差はみとめられなかった。また、ホモマウス同士での交配を行ったところ、ホモマウスが出産された。したがって、Hlfoo遺伝子のノックアウトによって、雄においても雌においても不妊が認められることがなく、Hlfoo蛋白の欠失を何らかの機序で異なるタンパク質が機能のカバーを行っている可能性が示された。雌のホモマウスとヘテロマウスのでの産仔数を比較検討したところ、ホモマウスにおいて産仔数が減少する傾向が認められた。加齢変化との検討を行うために加齢ホモマウスの卵巣を摘出し、組織切片上の変化について検討を加えた。さらに今年度は、ノックアウトホモマウスとワイルドタイプマウスの卵子における遺伝子発現の差異を網羅的に検討するため、それぞれのマウスよりMII卵子を採取し、2系統で遺伝子マイクロアレイにかけて、遺伝子群の発現解析を行った。結果、CDK4等のセルサイクルレギュレーターや、mRNAプロセッシングに関連する遺伝子群の卵子における発現が大きく変化していることが明らかとなった。今後、今回のマイクロアレイの結果によって得られた遺伝子変化の大きかった個々の遺伝子の発現について検討を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)