2011 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類初期発生におけるリンカーヒストンとクロマチンのエピジェネティクス機構の解明
Project/Area Number |
21592109
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 守 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20207145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮越 敬 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265883)
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Keywords | 卵子 / リンカーヒストン |
Research Abstract |
本研究の研究目的の達成のために.H1fooノックアウトマウスの表現形解析およびH1fooノックアウトマウスの卵子を用いた体細胞核移植胚発生への影響を検討した。H1fooノックアウトマウスは、その立体構造によってDNAに結合すると考えられているexon2にNeoカセットを挿入したのものであり、現在、ファウンダーを育成した。今までの研究では、C-mosのノックアウトマウスで認められたような、単為発生の増加に伴う卵巣における奇形腫の増加および受精率の低下が認められている。H1fooノックアウト卵子を使用し、自然受精、顕微授精法、体細胞核移植時の受精能、発生効率等を詳細に比較検討し、さらにその際のDNAをChiP assayすることでエピジェネティクスの変化をメチレーション、ヒストンアセチル化等網羅的に観察した結果を検討した。その結果、CDK4等のセルサイクルレギュレーターや、mRNAプロセッシングに関連する遺伝子群の卵子における発現が大きく変化していることが明らかとなってきた。 本年度は、H1fooノックアウトマウスの表現形解析を進める。研究解析においては、DNAマイクロアレイを使用し、ノックアウト卵子および正常卵子より得られて微量のmRNAを増幅し、アジレント社製オリゴDNAマイクロアレイを用いてノックアウトによる遺伝子発現の変化を検討してみた。平均産子数はKO群6.3、WT群7.4であった。180日齢のKOマウスにおいて、黄体形成は認められ、奇形種発生は認めなかった。マイクロアレイでは、細胞周期、DNA合成、相同組み換えに関与する遺伝子が多く含まれていた。H1fooは、細胞分裂に必要な遺伝子の発現に影響を与える事や卵子のリプログラミング能に関与していることが示唆された。
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