2011 Fiscal Year Annual Research Report
莢膜細胞特異的マイクロRNAの機能解析:卵胞の転写後調節とPCOSでの役割解明
Project/Area Number |
21592115
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
瀧澤 敬美 日本医科大学, 医学部, 助教 (40386157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 宰 日本医科大学, 医学部, 講師 (70293214)
竹下 俊行 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60188175)
瀧澤 俊広 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90271220)
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Keywords | 婦人科学 / 卵巣 / 莢膜細胞 / 多嚢胞性卵巣症候群 / microRNA |
Research Abstract |
本研究は、microRNA(miRNA)が卵胞黄膜細胞の機能制御を通して、卵胞成熟と排卵の調節の仕組みにどのように関わるのか、分子レベルでの機能解明を目指すとともに、多嚢胞性卵巣症候群の分子病態におけるmiRNAの関わり解明と臨床応用(新規バイオマーカー等)のための基盤研究を目的に研究を行いました。1)黄膜細胞のmiRNAの発現プロファイル解析:昨年に引き続き、新生仔マウス卵巣から分離培養した莢膜幹細胞およびin vitro分化誘導した莢膜細胞について、細胞からRNAを抽出し、real-timePCRに基づくTaqMan miRNA Arrayを用いてmiRNA発現プロファイリングを行いました。さらに、幹細胞と分化細胞で発現量に差が認められたmiRNAについてパスウェイ解析(Ingenuity Pathways Analysis)を行いました。miRNAアレイ解析により、莢膜幹細胞と分化後の細胞のmiRNA発現量を比較し、分化後に増加した30個のmiRNAと、減少した9個のmiRNAを見出しました。パスウェイ解析からこれらのmiRNAは、遺伝子疾患、生殖系疾患、発生、増殖、細胞周期等に関与する可能性が示唆されました。2)miRNAの診断ツールとしての開発:昨年度に引き続き、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)サンプルからレーザーマイクロダイセクションで黄膜細胞層、および顆粒膜細胞層の回収を進めました。回収したサンプルのmiRNA発現解析にあたり、微量のRNA抽出およびその濃度測定を正確に行うことはmiRNAの定量発現解析には不可欠であり、種々の条件を検討し、RNA抽出用試薬のRNA含有層(水相)へのコンタミを最小に抑えることが重要であることを見出し、サンプル調整のプロトコール開発に成功しました。このプロトコールを用いて、臨床サンプルでのmiRNA発現解析を進めました。
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