2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞を標的とした卵巣癌における新しい分子標的治療の開発
Project/Area Number |
21592122
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
太田 剛 山形大学, 医学部, 助教 (50375341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉智 博久 山形大学, 医学部, 教授 (40153366)
高田 恵子 山形大学, 医学部, 助教 (70375343)
吉田 隆之 山形大学, 医学部, 助教 (60466604)
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Keywords | 癌幹細胞 / 卵巣癌 / 薬剤耐性 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
幹細胞が様々なphenotypeを示す細胞に分化する過程においてWilms'tumor gene(WT1)が重要な役割を果たすと最近報告された。また血液癌においてはWT1発現の変化により、癌幹細胞ががん細胞に分化していくと言われている。そこで我々はWT1の発現変化により、卵巣癌細胞にどのような変化が起こるか、幹細胞の性質を示すようになるか否かを検討している。初めに我々は卵巣癌細胞22株おけるWT1蛋白の発現を検討した。卵巣癌細胞22株のうち4株の細胞株でWT1の発現を認めた。次に我々はWT1が高発現していたOV202,OVCAR3,PEO4細胞株においてshort hairpin RNAを用いてWT1をknockdownさせ、epithelial-mesenchymal transition (EMT)様の変化を示すか否かについて検討した。Immunoblottingにより、E-cadherin,Vimentinの発現を検討したところ、OV202ではWT1 knockdown cellにおいてE-cadherinの消失、Vimentinの増強を認め、間様系細胞の性質を獲得したと考えられた。しかしながら他の細胞株では大きな変化を確認できなかった。細胞間によってWT1のEMTに対する影響が異なる機序について現在検討中である。さらに我々はWT1がapoptosis関連蛋白に影響を与えることに注目し、薬剤感受性の観点から実験を行っている。WT1をknockdownしたすべての細胞株においてproapoptotic proteinであるHtrA1蛋白の発現増強を認め、さらにcisplatinに対する薬剤感受性が増強した。またpromoter,ChIP assayを行いWT1がHtrA1のnegative regulatorであることを確認した。以上が本年度中に行った実験結果である。
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