2011 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲンレセプター発現PETを用いた子宮肉腫の新たな診断・治療法の開発
Project/Area Number |
21592124
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 好雄 福井大学, 医学部, 准教授 (60220688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 哲司 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (60334835)
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Keywords | PET / 糖代謝 / エストロゲン / レセプター / 子宮肉腫 |
Research Abstract |
【目的・背景】イメージング製剤であるFESは婦人科疾患の診断やホルモン治療の効果判定に役立つと期待されている。これまで欧米を中心に乳癌に用いられてきたFES-PETを我々は婦人科腫瘍に応用した。子宮体癌や肉腫などの悪性腫瘍ではFDG集積がFES集積よりも高い傾向であるのに対して、増殖症や筋腫などの良性腫瘍においては反対にFESの方が有意に高い集積を示した。このように婦人科疾患においてはFES-PETをFDG-PETに加えることにより女性ホルモン依存性と糖代謝の程度の差を利用して良悪性鑑別が出来る可能性があることを報告した。今回子宮筋腫と子宮肉腫の鑑別診断法に有用か否かを検討した【方法】不正性器出血・下腹部痛があり、内診・超音波・MRI検査で非典型的な子宮腫瘍を有する76人にFDG-PET検査を施行した。76人中36人に、肝臓への生理的集積と同程度かあるいはそれ以上の集積を子宮腫瘍に認めた。36人中12人は、(1)子宮内膜細胞診陽性、(2)手術を拒否、(3)ホルモン療法の治療を受けている、(4)同一月経周期内のFES-PETを拒否。のため対象から除外した。最終24人にFES-PET施行し、FDGとFES集積の所見と術後の病理組織診断の関係を前方視的に検討した。最終的に対象とした患者さんは、子宮肉腫11人、子宮筋腫13人でした。【結果・結論】肉眼では、子宮肉腫11人中10人に、FDGが集積した腫瘍内にFESの集積欠損を認めた。FDGとFESの腫瘍への集積率をSUV (Standard Uptake Value)として半定量化し、数値化し検討すると、FDGの集積がFESの集積の2倍以上ある場合、91.3%の確率で子宮肉腫でした【考察】一部の肉腫には女性ホルモンを取り込む性質のものもあり、その場合はFES-PETを追加しても判別は困難。しかし、我々が行ったFDGとFESの集積割合を比較する子宮肉腫検査法では、非常に高い精度で子宮肉腫を診断し、"筋腫なのに肉腫の可能性があるといって手術"がなされたり、"早期の肉腫なのに筋腫の保存的治療"がなされたりする患者を減らすことができると期待される。
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Research Products
(1 results)