2009 Fiscal Year Annual Research Report
PET検査による抗癌剤感受性試験法の開発:腫瘍細胞内P糖蛋白発現の画像化の試み
Project/Area Number |
21592125
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
黒川 哲司 University of Fukui, 医学部附属病院, 講師 (60334835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 泰 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (50305603)
小辻 文和 福井大学, 医学部, 教授 (50153573)
吉田 好雄 福井大学, 医学部, 准教授 (60220688)
品川 明子 福井大学, 医学部, 助教 (90444223)
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Keywords | 抗癌剤 / 感受性試験 / PET / P糖たんぱく / シスプラチン |
Research Abstract |
本研究の目的は、「In Vivo抗癌剤感受性検査法」の確立である。特に、本年度はプラチナ製抗癌剤の感受性を検討するため、プラチナを細胞内に輸送する膜蛋白であるP糖蛋白に着眼した。そして、それを標識する薬剤として開発した18F-XR9576の結合能について基礎実験を行い確かめた。しかし、予想した標識率が得られなかった。そこで、現在、薬剤の作成法の見直しを行っている。 同時に、注目した輸送膜蛋白であるhCtr-1についても検討した。そして、hCtr-1蛋白発現は、シスプラチン感受性に大きく関与する可能性を示唆する結果が得られた。それを、論文にして、"Cancer chemotherapy pharmacology"に報告した。そして、現在、hCtr-1蛋白を標識する薬剤の開発も同時に行っている。 この2剤の開発は、大変臨床的意義が大きいと考える。何故なら、プラチナを細胞内に取り込むhCtr-1蛋白と細胞外に排出するP糖蛋白の標識に成功したならば、その蛋白の発現量で、腫瘍細胞内のプラチナ濃度を画像で、予想することができることになる。(過去にプラチナに標識した研究もあるが半減期の問題で、正確な画像化に至っていない。)これは、さらにプラチナ耐性機序の一部の解明につながると考える。 もし本研究が予想した結果が得られ、「In Vivo抗癌剤感受性検査法」の確立ができたならば、予後の悪い卵巣癌の治療における、オダーメイド治療の導入につながり、新しい治療法の開発と、そして予後改善をもたらすものと考えている。
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Research Products
(1 results)