2010 Fiscal Year Annual Research Report
難治性卵巣がんに対する新規がん胎児性抗原を標的とした免疫療法の開発
Project/Area Number |
21592127
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 清住 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90335026)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 史隆 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40224985)
|
Keywords | glypican-3 / ペプチドワクチン / 卵巣明細胞腺癌 / CTL |
Research Abstract |
卵巣明細胞腺がんにおけるGlypican-3 (GPC3)ペプチドワクチン療法の基礎的検討を行うことを目的として本年度の研究を行った。HLA-A2拘束性GPC3ペプチド特異的CTLクローンを用いて卵巣明細胞腺がん細胞株に対するIFN-γ ELlSPOT assayおよび細胞傷害性試験を行った。その結果、IFN-γ ELISPOT assay及び細胞傷害性試験により、GPC3ペプチド特異性が認められ、明細胞腺がん細胞株KOC-7cを傷害した。GPC3-shRNA導入によりKOC-7cのGPC3発現量を低下させることでこのCTLの反応は抑制された。様々ながん種を対象とした検討では、CTLクローンの免疫応答はGPC3の発現量に左右される結果であった。subtoxicな抗がん剤用量であっても、前治療を併用することでCTLによる細胞傷害効果の上乗せが認められた。GPC3発現量とGPC3ペプチド特異的CTLクローンの免疫応答について相関関係が認められたことから、臨床試験に用いているHLA-A2のGPC3ペプチドについては、HLA-A2陽性のGPC3陽性がん細胞から内因性に提示される本ペプチド量は、GPC3自体の発現量を調べることで推測されうると考えられた。subtoxicな抗がん剤用量での前治療とGPC3特異的CTLの併用によって細胞傷害性に上乗せ効果が得られたが、卵巣明細胞腺がんのGPC3ペプチドワクチン臨床試験では抗がん剤併用群も設定しており、その作用機序を含めた追加解析を計画している。
|
Research Products
(2 results)