2011 Fiscal Year Annual Research Report
難治性卵巣がんに対する新規がん胎児性抗原を標的とした免疫療法の開発
Project/Area Number |
21592127
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 清住 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90335026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 史隆 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40224985)
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Keywords | 卵巣明細胞腺癌 / ペプチドワクチン / GPC-3 / 臨床試験 / 免疫療法 |
Research Abstract |
本年度は臨床試験を中心に研究を行った。ペプチドワクチンを投与された卵巣明細胞腺がん患者におけるEx vivo IFNγELISPOTアッセイを用いた免疫学的モニタリングにて17症例中16症例(寛解群11例、化学療法併用群1例:および進行群4例)においてワクチン投与前に比べ、ワクチン投与後でGPC3特異的CTLが末梢血中に増加していることが確認できた。TC(パクリタキセル+カルボプラチン)療法と併用された1例のみではあるが、免疫抑制作用のある化学療法併用群においてもGPC3特異的CTLが誘導された結果が確認できた。現在までの登録症例は20例とまだ少数例ではあるが、注射部局所の発赤や硬結は全例にみられたものの、投与中止基準に相当するGrade4のような重篤な非血液有害事象の発生は1例もみられなかった。現時点で、寛解群(ワクチン投与計10回のプロトコール終了7例およびワクチン投与中6例)の平均観察期間は7.6か月とまだ短いものの、全例において再発は認められていない。進行群5例中1例で、治療開始3か月時点でPRの臨床効果(肝転移、傍大動脈および右外腸骨リンパ節転移の縮小あり、新規病変なし)を認めた。また、この症例を含み進行群5例中3例で、ワクチン投与前に比べ腫瘍マーカーの低下がみられた。 HLA-A2402陽性であった進行群患者2名のワクチン投与後PBMCからのGPC3ペプチド特異的CTL誘導ではそれぞれの患者のPBMCから12個および10個のクローンが樹立された。樹立された22個のCTLクローンは、すべてDextramerを用いたFACS再解析で、ほぼ100%GPC3デキストラマー陽性のGPC3ペプチド特異的CD8陽性キラーT細胞であり、GPC3ペプチドをパルスした標的細胞(T2細胞)に対してIFNγELISPOTアッセイにおいても明らかなGPC3ペプチド特異性が認められた。
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Research Products
(4 results)