2011 Fiscal Year Annual Research Report
癌で高発現するヒストン脱アセチル化酵素活性化因子によるヒト卵巣癌発症機序の解析
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21592129
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東辻 久子 京都大学, 医学研究科, 助教 (20402852)
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Keywords | 卵巣癌 / ヒストン脱アセチル化酵素 / 活性化因子 / ガンキリン / HSCO / HDAC1 / SIRT1 / がん抑制遺伝子 |
Research Abstract |
癌遺伝子ガンキリン、HSCO遺伝子は悪性度の高い卵巣癌で高発現する。ガンキリンはpRbの分解促進、p16INK4aのcdk4への結合阻害、p53の分解促進、NFkBにヒストン脱アセチル化酵素SIRT1をリクルートすることによりNFkBの活性を抑制する。HSCO遺伝子はNFkB活性を抑制したり、p53にピストン脱アセチル化酵素HDAC1をリクルートし、p53の機能を抑制させる。卵巣癌で高発現し、ヒストン脱アセチル化酵素の活性化因子であるガンキリンとHSCOに注目し、HDAC activationと卵巣発癌、進展との関係をin-vitro、in-vivo(トランスジェニックマウス)実験で解析し、卵巣癌に対する新しい抗癌剤ピストン脱アセチル化酵素インヒビターを開発することを本研究の目的とする。卵巣癌細胞株SK-OV3にSIRT1 activator、HDAC1 activatorであるガンキリン、HSCOを高発現した場合、細胞増殖能は亢進した。細胞周期はG1-S期の進行が増加した。抗癌剤に対する抵抗性が亢進した。soft agar中でのanchorage-independent cell growthは亢進した。cell scratch assay、transwell assayによる細胞運動能は亢進した。ガンキリン、HSCO siRNAで内因性ガンキリン、HSCOをknockkdownした場合、細胞増殖能は抑制された。細胞周期はG1 cell cycle arrestを示した。癌細胞へのアポトーシスの誘導が見られた。抗癌剤に対する感受性が亢進した。soft agar中でのanchorage-independent cell growthは減弱した。cell scratch assay、transwell assayによる細胞運動能は抑制された。卵巣癌細胞株SK-OV3にHSCOを高発現、HSCO siRNAで内因性HSCOをknockdownした場合、ガンキリンを高発現、ガンキリンsiRNAで内因性ガンキリンをknockdownした場合、細胞のmRNA発現の変動をDNA microarrayで評価した。HSCO、ガンキリンを高発現した細胞でmRNA発現がより低下しているいくつかの遺伝子を同定した。その中には癌抑制遺伝子も含まれていた。siRNAで内因性のHSCO、ガンキリンをknockdownした細胞でmRNA発現がより亢進しているいくつかの遺伝子を同定した。その中には癌抑制遺伝子も含まれていた。ガンキリン、HSCOはtranscriptional coregulatorとして機能して、がん抑制遺伝子の発現レベルを制御している可能性が示唆された。この際、がん抑制遺伝子のpromoter領域にリクルートされるのがヒストンデアセチラーゼであると考えられる。
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Research Products
(2 results)