2009 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科がんにおけるメトロノミック化学療法の有用性に関する検討
Project/Area Number |
21592135
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 裕明 Kyushu University, 医学研究院, 准教授 (70260700)
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Keywords | 婦人科癌 / メトロノミック化学療法 / がん休眠療法 |
Research Abstract |
種々の集学的治療を受けたにも関わらず、進行・再発するがん患者に対して完全治癒を得ることは難しく、次善の治療目標は病巣の進行を食い止めながらの延命となる。これはいわゆるがん休眠療法(Tumor dormancy therapy)そのものであるが、この治療概念に合致し着目すべきものとして、近年FolkmanとKerbelが報告したメトロノミック化学療法がある。これは適当な抗癌剤を低用量で頻回投与すれば、新生血管阻害作用を介した腫瘍の増殖抑制が得られ、かつその低毒性のため治療を長期継続でき、長期の腫瘍との共存による延命が期待できるというものである。本年度は、卵巣がん細胞株による動物実験系を用いてどのような抗がん剤がメトロノミック化学療法に適しているかを明らかとした。(a)抗腫瘍効果の検証:卵巣癌のタキサン系薬剤耐性細胞株を移植したヌードマウスを同じdose intensityとなるように各種抗がん剤の高用量単回投与と低用量頻回投与の2つのスケジュールで治療した。抗腫瘍効果の指標として腫瘍サイズを、副作用の指標として体重減少をモニターし比較検討したところ、薬剤抵抗性細胞株では特にタキサン系薬剤の再投与において低用量頻回投与群の方が、腫瘍増殖抑制効果が強かった。血管新生阻害剤であるBevacizumabを低用量頻回投与スケジュールに併用すると、更なる腫瘍増殖抑制効果が得られた。(b)メトロノミックスケジュールで投与した各薬剤が高用量単回投与時よりも血管新生を強く抑制しているかに関して、ヌードマウス皮下に注入したマトリゲルへの新生血管の侵入量で比較検討したが、低用量頻回投与群の方が血管新生が抑制されやすい傾向が得られた。
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Research Products
(5 results)