2010 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科がんにおけるメトロノミック化学療法の有用性に関する検討
Project/Area Number |
21592135
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 裕明 九州大学, 医学研究院, 准教授 (70260700)
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Keywords | 婦人科癌 / メトロノミック化学療法 / がん休眠療法 |
Research Abstract |
初年度(平成21年度)の基礎研究の結果に基づき、メトロノミック化学療法の有効性を発揮できる抗がん剤を組み入れた婦人科がん腫別の臨床試験プロトコールを作成した。現時点で有効な治療法のない集学的治療後の進行再発卵巣がん、子宮頸がん(通常、積極的治療を行わず対症療法に移行するような症例)を対象に、患者個々および施行コースごとに適正薬剤量を設定したがん休眠療法の臨床試験計画書をIRBに申請し承認を得た。本治療はメトロノミック化学療法の理論に基づいたがん休眠療法であり、前コースでgrade3以上の血液毒性あるいはgrade2以上の非血液毒性を一項目でも認めた場合は次コースの薬剤の投与量を1レベル減量する。逆に前コースの毒性がすべてgrade1以下であった場合は次コースの薬剤の投与量を1レベル増量し、個別化最大継続可能量(iMRD)に準じたテーラード型の抗がん剤投与を行った。以上の治療を病巣が進行(PD)するまで可能な限り繰り返し、1)治療効果をTime to progression(TTP:本治療開始から症例がPDとなるまでの期間)の長さで評価したが、比較的良好な結果が得られ、数例は難治再発例であるにも関わらず、12か月以上のTTPであった。 2)安全性をNCI-CTC ver3.0に基づいて評価し、同一患者が以前に受けた高用量化学療法施行時と本治療試行時のQOLの違いをEORTCのQOL質問表を応用して比較したが、本治療の方が明らかに良好なQOLを示した。 以上より、がん休眠療法にメトロノミック化学療法を臨床応用することの有用性が示された。この結果は多くの学会で発表したり、招請を受けて講演した。
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Research Products
(4 results)