2009 Fiscal Year Annual Research Report
PLKを標的とした婦人科癌の治療とマイクロアレイによる抗癌作用機序の解析
Project/Area Number |
21592139
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
高井 教行 Oita University, 医学部, 講師 (50295185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楢原 久司 大分大学, 医学部, 教授 (60211447)
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Keywords | PLK / 細胞周期 / apoptosis / Microarray / 婦人科癌 |
Research Abstract |
われわれがヒト胎盤cDNAライブラリーよりクローニングしたpolo like kinase (PLK)は、細胞分裂時の微小管形成に必須で、いわゆる細胞周期調節蛋白である(Hamanaka et al, 1995)。われわれは、ヒト胎盤(Yoshimatsu et al, 1999)、マウス胎盤(Takai et al, 1999)、ヒト正常子宮内膜(Takai et al, 2000)、子宮体癌(Takai et al, 2001)、卵巣癌(Takai et al, 2001)でのPLKの発現や機能を報告し、特にPLKの婦人科癌における発現がその病理組織学的予後因子と有意に相関していることを報告した(Takai et al, Oncogene, 2005)。PLKはG2/M期に最も強く発現し、cdc2/cyclin B1のリン酸化を活性化したり、cdc25やcdc27も活性化させる。また細胞分裂の終息に関与するAPC (anaphase-promoting complex)も標的としている(Takai et al, 2008)。 今回われわれは、PLKが婦人科癌治療の分子標的となるかどうかを検討するため、PLKの発現を抑制するβ-hydroxyisovalerylshikonin (β-HIVS)と、PLKの発現は変化させずにPLKの機能を阻害するscytoneminの婦人科癌に対する作用についてin vitro, in vivoで検討し、有意な抗癌作用を確認した。しかし、同じ濃度のβ-HIVSまたはscytoneminを投与しても正常子宮内膜上皮細胞の増殖は抑制されなかった。細胞周期ではG2/M arrestが確認された。またannexin V assay、ミトコンドリア膜電位の解析でアポトーシスに陥った細胞が増加していた。マイクロアレイにより細胞周期・アポトーシス・分化・増殖・転写・シグナル伝達に関連した遺伝子変化を認め、ウエスタン法でそれらの蛋白発現の変化を確認した。
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