2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規血管新生調節因子バソヒビンによる婦人性器がん分子標的・遺伝子治療に関する研究
Project/Area Number |
21592143
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
嵯峨 泰 自治医科大学, 医学部, 講師 (70360071)
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Keywords | 婦人性器癌 / 分子標的治療 / 遺伝子治療 / バソヒビン1 |
Research Abstract |
バソヒビン1(VASH1)発現プラスミドベクターをトランスフェクションした様々な婦人性器がん培養細胞を対象としたこれまでのex vivo実験により、VASH1は多くの婦人性器がんに有効である可能性が示された。この結果を踏まえて、VASH1を用いた分子標的・遺伝子治療実現のため、VASH1搭載アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(AAV-VASH1)作成に着手した。AAVベクターは血清型により標的組織での遺伝子導入効率が異なる性質を有する。本研究では骨格筋に対して最も効率よく遺伝子導入可能なAAV1型のベクター(AAV1-VASH1)を作成した。作成方法としてはウイルスを一切使用せず、プラスミドベクターのみを用いた安全なアデノウイルスフリーシステムを選択した。これまでの研究で用いたVASH1発現プラスミドベクターからサイトメガロウイルスプロモーターおよびVASH1のcDNA配列のみを切り出し、触Vベクタープラスミドの両inverted terminal repeat間に挿入し、AAV-VASH1ベクタープラスミドを作成した。このベクタープラスミドとAAV1ヘルパープラスミド、およびアデノウイルスヘルパープラスミドの3つのプラスミドベクターを胎児腎組織由来の293細胞にリン酸カルシウム共沈法でトランスフェクションし、AAV1-VASH1ベクターを作成した。未精製のAAV1-VASH1を293細胞に感染させ、48時間後に細胞を回収し蛋白質を抽出、抗VASH1マウスモノクローナル抗体を用いたウエスタンブロットを行ったところ、感染細胞におけるVASH1の発現が確認された。その後、大量調整を行い、動物実験に供するのに充分な量のAAV1-VASH1を作成した。
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