2010 Fiscal Year Annual Research Report
子宮癌での上皮-間葉転換による免疫抑制環境構築の分子機構解明とその臨床応用
Project/Area Number |
21592144
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤田 知信 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20199334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
青木 大輔 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30167788)
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Keywords | 癌 / 子宮体癌 / 子宮頚癌 / 免疫抑制 |
Research Abstract |
進行・再発子宮癌では、新しい治療法や診断法の開発が期待されている。本研究では子宮体癌・子宮頸癌において、癌細胞転移に重要な上皮-間葉転換(Epithelial mesenchymal trasnsition:EMT)が、癌細胞の遊離や浸潤能亢進による転移だけでなく、免疫抑制活性により転移を促進している可能性を検討し、その分子・細胞機構の解明により、子宮癌に対する新しい診断法や治療法の開発を目指す。EMTによる運動能・浸潤能評価のために、xCELLigence DPシステムを用い、子宮体癌細胞株であるHec-Ib、Hec-108、SNG-2、HHUA、HOOUA、AN3CA、Ishikawa株、子宮頸癌細胞株であるSKG-1、SKG-2、SKG-3a、SKG-3b、C33A、Hela、Siha株を評価した。その結果、子宮体癌細胞株ではSNG-2株が浸潤能・運動能を、子宮頚癌細胞株ではSKG-2とSKG-3bが運動能、SKG-2が浸潤能を有していた。 子宮体癌でEMTに影響を与える候補遺伝子としてMYEOVを選択した。MYEOVは我々が以前、予後不良因子として同定した遺伝子である。siRNAを用いてMYEOVの遺伝子発現をSNG-2で抑制すると、運動能は24時間で低下し、浸潤能は低下した。同時に、snaill、snail2、ZEB1は約50%に発現が低下し、fibronectinは4倍に上昇しが、E-cadherinおよびvimentin、twistに変化はなかった。同様に、子宮頸癌においては転写因子であるFOXD3を候補遺伝子として選択し、子宮頸癌細胞株でHOXD9が高発現していることを確認した。現在、siRNAを用いてSKG-2株およびSKG-3b株でHOXD9の遺伝子抑制を行っており、EMTマーカーに与える影響および、免疫抑制性分子の発現変化をモニタリングしていく。
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Research Products
(3 results)