2011 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌に対するMPAの分子標的治療薬としての機能解析とその制御の検討
Project/Area Number |
21592148
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
金村 昌徳 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40298782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
寺井 義人 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90278531)
田辺 晃子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70454543)
佐々木 浩 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80432491)
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Keywords | 子宮内膜癌 / GPR30 / 上皮間葉形質転換 / CD24 |
Research Abstract |
子宮内膜癌におけるMPAの抗腫瘍効果の解析をtype1のIshikawa細胞とtype2のHec-1A細胞を使用し検討し、抗腫瘍効果の制御に関係する標的となり得る遺伝子を検討するのが目的であった。MPAを含むプロゲステロン受容体作動薬(SPRM)とGPR30の関連性、および細胞応答を検討したところ、IshikawaにMPAおよびDienogest存在下にエストラジオール(E2)を添加すると、E2で活性化されるERKのリン酸化が抑制され、cell viabilityも減少するが、一方Hec1A,Hec108ではむしろERKのリン酸化が認められ、PR-B(progesterone-receptor-B)を過剰発現することでさらに強いERKのリン酸化が認められた。つまりtype Iとtype IIでの細胞反応は逆であることが判明した。さらにIshikawa株にGPR30のsiRMAを導入しノックダウンしたところ、ERKのリン酸化が増強され、細胞増殖促進反応を認めたが一方、GPR30の発現ベクターを強制発現したところcell viabilityの低下が認められ、足場を失い上皮間葉形質転換(EMT)の現象が起きた。次にEMTに着目し、その表現マーカーを検索したところ、乳癌や膵臓癌で関与が考えられているCD24が可能性としてあげられたため、Hec108・Hec1AをCD24+/CD24-へ分離した。増殖能は有意にCD24+<CD24-で、CDDP添加後のMTS assayではCD24+のcell viabilityが高く、CD24+はより少ない細胞数で腫瘍形成能を持っていた。分離後は両群からCD24+/CD24-細胞が出現した。CD24+はCD24-と比較しE-cadherin、cyclinD1の発現が低くsnail、slug、stemness遺伝子の発現が高かった。免疫染色ではCD24+はgradeや組織型と相関しリンパ節転移巣で有意に高発現で予後と相関が見られた。つまり、子宮内膜癌におけるCD24+は悪性度と相関し癌幹細胞やEMTの指標として有用である可能性があることをつきとめ、現在論文投稿中である。
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Research Products
(4 results)