2010 Fiscal Year Annual Research Report
メニエール病発作発現時と治療時における前庭機能に関する研究
Project/Area Number |
21592159
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柿木 章伸 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60243820)
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Keywords | メニエール病 / 内リンパ水腫 / 抗利尿ホルモン / めまい発作 |
Research Abstract |
臨床において、メニエール病のめまい発作発症にはストレスが大きく関与していることが知られている。このストレスを反映して、メニエール病患者では抗利尿ホルモンが異常高値を示すことを報告してきた。さらに、人側頭骨病理およびCTによる研究においてメニエール病の内リンパ嚢が発育不全や線維化といった所見を示し、内リンパ嚢の機能不全が存在することが推定されている。これらの臨床的特徴をもとに、メニエール病のモデル動物を作成し、前庭機能を観察した。具体的には、モルモットの内リンパ管および嚢を手術的に閉塞し1もしくは4週間飼育の後、抗利尿ホルモン2型受容体作動薬であるデスモプレッシンを皮下注する。このモデル動物では、高率に自発眼振および体平衡異常をきたすことが判明した。さらに、組織学的には、内リンパ管および嚢を手術的に閉塞後、長期経過した動物にデスモプレッシンを投与した動物が有意に大きな内リンパ水腫を形成した。しかし、前庭機能障害と、内リンパ水腫の大きさには関連を認めないことが判明した。これらの結果から、メニエール病のめまい発作の発生機序としては、内リンパ嚢の機能不全がベースに存在し、その上に何らかのストレスが加わることで抗利尿ホルモンが異常分泌されたためにめまい発作が起きると考えられ、内リンパ水腫の大きさとの関連はないと考えられる。
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Research Products
(1 results)