2012 Fiscal Year Annual Research Report
メニエール病発作発現時と治療時における前庭機能に関する研究
Project/Area Number |
21592159
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柿木 章伸 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60243820)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | メニエール病 / 抗利尿ホルモン / 内リンパ水腫 |
Research Abstract |
これまでに我々は、メニエール病の病因に抗利尿ホルモンとアクアポリン2が深く関与することを臨床および基礎研究で明らかにしてきた。本年度は、抗利尿ホルモン2型受容体(V2R)拮抗薬がメニエール病モデル動物におよぼす影響について検討した。 使用したメニエール病モデル動物は内リンパ管・嚢閉塞動物にデスモプレッシン100μg/kgを皮下注射して作成するもので、特徴は内リンパ水腫を有し自発眼振と体平衡異常が誘発される極めてメニエール病の病態に近いモデルである。このモデル動物にV2R拮抗薬を経口投与し、組織学的変化と前庭機能障害の有無について検討した。 結果は、組織学的には明らかな内リンパ水腫軽減効果を認め、前庭機能は自発眼振を認めず体平衡異常もきたさなかった。 今回の結果はV2R拮抗薬投与により内リンパ水腫の軽減と前庭機能障害の抑制が認められたことから、V2R拮抗薬がメニエール病の新しい治療薬となりうることを示唆するものと考える。また、これまで行われているメニエール病に対する論理的な治療は、浸透圧利尿薬による内リンパ水腫の軽減であったが、メニエール病の病因に対するものではなかった。しかし、V2R拮抗薬はメニエール病の病因に対する治療と位置づけられ、より根本的な治療となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)