2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児中耳炎の難治化の病態解明とウイルスと細菌の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
21592165
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山中 昇 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保富 宗城 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90336892)
田村 真司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10244724)
戸川 彰久 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70305762)
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Keywords | 中耳炎 / 細菌感染 / ウイルス感染 / ノイラミニダーゼ |
Research Abstract |
(1) マウス鼻咽腔感染モデルを用いた肺炎球菌ノイラミニダーゼの役割の検討 肺炎球菌TIGR4株(血清型4型:細胞表面非結合型ノイラミニダーゼ)およびD39株(血清型2型:細胞表面結合型ノイラミニダーゼ)を用い、それぞれのノイラミニダーゼ欠損株をinsertion duplication mutanogenesis法により作成する。TIGR4ノイラミニダーゼ欠損株は、すでに共同研究者であるDavid E Birlesと我々の共同研究により作成されており、今後D39株を用いた欠損株を作成する。 ノイラミニダーゼ欠損株および野生株をマウス(CBA/NおよびBALB/c bjy、4~6週齢、雌)に経鼻接種した後、1~7日目にマウスを屠殺し、鼻咽腔洗浄液および洗浄後鼻粘膜組織、肺、血液、嗅球、大脳を採取し、それぞれの肺炎球菌コロニー数を検討する。すでに行った予備実験で鼻咽腔洗浄液中および洗浄後の鼻粘膜組織中の肺炎球菌コロニー数の評価では、ノイラミニダーゼ欠損株では、肺炎球菌の鼻咽腔コロニー形成が不良であった。 これらのことより、肺炎球菌感染にはノイラミニダーゼが必須であることが示唆され、今後、さらなる検討を加えるとともに、肺、血液、嗅球、大脳におけるコロニーについても検討する予定である。 (2) 肺炎球菌ノイラミニダーゼ欠損株の感染おけるノイラミニダーゼ前処置の効果 (1) で示された肺炎球菌の感染におけるノイラミニダーゼの役割について、他のノイラミニダーゼとの比較検討を行う。すなわち、マウス(CBA/NおよびBALB/c bjy、4~6週齢、雌)に肺炎球菌ノイラミニダーゼ欠損株接種12時間、6時間、1時間前にノイラミニダーゼを経鼻投与する。ノイラミニダーゼ処理後に肺炎球菌ノイラミニダーゼ欠損株を経鼻感染させ、鼻咽腔洗浄液および鼻粘膜組織中の経時的な肺炎球菌頃に数の検討を行う。使用するノイラミニダーゼは、i遺伝子組み換え肺炎球菌ノイラミニダーゼ、iiインフルエンザウイルスノイラミニダーゼ、iii Clostridum perfringes由来のノイラミニダーゼの3種類を用いる。本実験により肺炎球菌感染におけるノイラミニダーゼの役割とインフルエンザウイルスノイラミニダーゼの関係について解明する予定である。
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Research Products
(8 results)