2009 Fiscal Year Annual Research Report
内耳疾患診断のバイオマーカーCTP-迅速検出法の開発と臨床応用-
Project/Area Number |
21592169
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
池園 哲郎 Nippon Medical School, 医学部, 准教授 (80277491)
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Keywords | 耳科学 / トランスレーショナルスタディー |
Research Abstract |
研究の目的 現在我々は、ウェスタンブロット法によるCTP検出検査を全国的に行っている。しかし、この検査の結果が出るまでには2~3週間を要することが問題であった。外リンパ瘻による内耳障害は早期診断・治療によってより良く治ることが知られており、今回我々は迅速診断検査法を開発することを主な目標とする。エライザ法であれば、検査はより簡便で、数時間で結果が出る。本年度は下記3つの課題のうち、2つに成果が得られた。 1.CTPを非変性下で検出できるか否かの検討を行う。 2.CTPを検出する方法として現在もっとも可能性が高いエライザ法の基礎的研究を行う。 研究結果 POCTでnative蛋白を検出することが最終目的である。還元剤として抗原抗体反応阻害しないマイルドな還元剤2-MEAを用いた場合、DTT+ヨードアセトアミド(IAA)を用いた場合、の2種類を検討した。それぞれにおいて変性剤としてSDS、Urea、NP40の効果を比較検討した。エライザ法による検討を行った。 a)抗体としてB2抗体を固相に、ビオチン化C2抗体を検出に用いたエライザでテストした。ウシ外リンパ中のCTPは検出されたが、還元剤2MEAでは、処理した場合と処理しない場合の発色の程度を比較しても大きな差がなかった。つまり2MEAの還元力は低く実用的でない。 b)そこで強い還元剤ジチオスレイトール(DTT)を用いてまずサンプルを前処理し、余剰還元力を打ち消す能力(開裂したS-S結合を再結合させないようにSH基をアルキル化する)のあるヨードアセトアミド(IAA)を加えてからエライザを行う方法を行ってみた。 →その結果、Urea,NP40,DTTを用いた前処理を加えたヒト外リンパとヒト血清の間に十分な反応性の違いが見られた。これはNative CTP検出法の将来を開く結果である
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Research Products
(8 results)