2011 Fiscal Year Annual Research Report
鼻アレルギー発症機序における上皮細胞の新たな役割-T細胞、樹状細胞との相互作用
Project/Area Number |
21592181
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
RUBY Pawankar 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00287674)
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / TSLP / 上皮細胞 / T細胞 |
Research Abstract |
アレルギー性鼻炎や喘息などのアレルギー疾患はT細胞や肥満細胞の活性化と気道粘膜上皮によるTh2サイトカインの過剰産生、そして骨髄における炎症性の顆粒球、特に好酸球の過剰産生を特徴とする。気道におけるTh2サイトカインの過剰産生はTh2細胞の選択的な浸潤とマスト細胞の活性化を反映している。アレルギー性鼻炎患者において、鼻粘膜上にTSLPが強く発現し、樹状細胞を活性化し、抗原提示能を増強するとともに炎症性Th2細胞の増殖やマスト細胞の活性化を強く刺激することが予想される。 本研究において、我々はアレルギー炎症における上皮細胞の新たな役割を明らかにするため、アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜上皮細胞におけるThymic stromal lymphopoietin(TSLP)の遺伝発現と産生を調節するサイトカインと増殖因子に関して検討した。アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜と非アレルギー性鼻炎鼻粘膜の上皮細胞がTSLPの発現した。アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜上皮細胞においては非アレルギー性鼻炎鼻粘膜上皮細胞に比べTSLPの発現が多く認められた。 同様にアレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜上皮細胞においては非アレルギー性鼻炎鼻粘膜上皮細胞に比べTARC、MDCなどのTh2ケモカインの発現が多く認められた。Real Time PCRに同様な結果がみられた。 アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜におけるTSLP陽性細胞と鼻粘膜における好酸球(ECP)、また、TSLP陽性細胞とIgEとの間に正の相関がみられた。鼻粘膜上皮細胞におけるToll様受容体(TLR)2と4を介してTSLPの産生を検討している。
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Research Products
(4 results)