2011 Fiscal Year Annual Research Report
鼻副鼻腔線維芽細胞に特徴的に発現するマイクロRNAの同定とその役割の解明
Project/Area Number |
21592182
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
野中 学 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70271351)
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Keywords | 鼻副鼻腔 / microRNA / 線維芽細胞 / 呼吸器 |
Research Abstract |
線維芽細胞は、部位により役割が異なっていることが分かってきている。同じ呼吸器である鼻・副鼻腔や肺を比較しても役割に違いが存在することが明らかになりつつある。鼻副鼻腔線維芽細胞は、種々のTLR ligandsに反応しケモカインやサイトカインを産生する。またTGF-βで刺激しても線維化へと誘導しない、などの特徴がある。一方、肺線維芽細胞は、LPS, poly(I:C)を除いたTLR ligandsにはほとんど反応せず、またTGF-βに反応して活性化され線維芽細胞に変換され、線維化へ誘導する。これら特徴にはmicroRNAの制御が働いているとかんがえられる。 1958年に提唱された分子生物学の中心原理では、一つの遺伝子から一つのmRNAか転与され、一つのたんぱく質ができるというものであった。しかし近年のnon-coding RNA(ncRNA)(small interfering RNAやmicroRNAなどからなる)の発見により、ゲノムの領域を大きな遺伝子領域が覆い一つの遺伝子から多数のRNAが転写され、そのRNAのうち約半分はncRNAとしてRNA大陸を形成していることが明らかになった。これらのncRNAは機能性RNAとして遺伝子に働き、種々の細胞の分化や増殖、サイトカイン・ケモカイン産生を始めとする自然免疫や獲得免疫応答を制御していると考えられている。 健常な鼻粘膜と健常な肺線維芽細胞から線維芽細胞を単離し、種々のTLR ligandで刺激し誘導されるmicroRNAを検討している。また鼻茸(鼻副鼻腔粘膜の慢性炎症)と肺線維症の肺線維芽細胞も同時に刺激し誘導されるmicroRNAの発現、鼻のそれとの違いを検討している。TLR ligand以外にもTGF-β、IL-13(IL-4)やTNF-αでの刺激を行い同様な検討を行っている。TGF-βで刺激すると肺線維芽細胞でmiR-146aが誘導され、鼻では誘導されていない。IL-13やIL-4、TNF-αで鼻線維芽細胞を刺激するとTSLPが産生され、さらにmiR-375が誘導されている。
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