2009 Fiscal Year Annual Research Report
高分子黒色腫抗原を標的とした頭頸部扁平上皮癌に対する交代療法の研究
Project/Area Number |
21592185
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
片山 昭公 Asahikawa Medical College, 医学部, 助教 (40374805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 和美 旭川医科大学, 医学部, 医員 (60516722)
東谷 敏孝 旭川医科大学, 医学部, 医員 (40516720)
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Keywords | 高分子黒色腫抗原 / HMW-MAA / CSPG4 / 抗体療法 |
Research Abstract |
高分子黒色腫抗原(HMW-MAA)は黒色腫において細胞表面上に発現を認める腫瘍関連抗原であり、正常組織においてHMW-MAAの発現はほとんど認められない事より、HMW-MAAを標的とした免疫療法の研究が行われてきている。頭頸部扁平上皮癌における発現は明らかではなく、それらに関する報告は皆無に等しい。そこで、頭頸部扁平上皮癌細胞におけるHMW-MAA発現検討の結果、検討した20種の頭頸部扁平上皮癌細胞株の内、14種70%に明らかな発現を認めた。頭頸部扁平上皮癌におけるHMW-MAA発現を詳細に検討することは、新たな治療法を開発する上で非常に有益であると考え、最終的な目標であるHMW-MAAを標的とし抗体療法の確立は頭頸部悪性腫瘍の新たな治療法の確立に十分寄与することが期待出来る。また、ファージディスプレイ単鎖抗体ライブラリから抽出されたHMW-MAA特異的クローン可変領域に抗体定常領域との融合蛋白2量体(scFV-Fc抗体)を作製した。in vitroではHMW-MAA特異的scFv-Fc抗体はHMW-MAA高発現乳癌細胞株で細胞運動性と細胞増殖性を有意に抑制する事ができた。又、in vitroではHMW-MAA高発現黒色腫細胞株を用いたマウス肺転移モデルにおいて転移巣の増殖抑制効果が認められた。これらを頭頸部悪性腫瘍細胞を用いた実験系に応用し、今後これらについてさらに研究を進めて行く予定である。
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