2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアッセイモデルによる上咽頭癌リンパ節転移機構に関する研究
Project/Area Number |
21592189
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
脇坂 尚宏 金沢大学, 附属病院, 講師 (70377414)
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Keywords | EBV / LMP1 / 上咽頭癌 / リンパ管新生 / リンパ節転移 / 動物モデル / VEGF-C / 胸管 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、咽頭癌標本におけるリンパ管新生因子およびその関連因子の発現に関するさらに詳細な検討を行った。昨年度は新生リンパ管の数および腫瘍細胞によるVEGF-C発現の程度との相関を検討したが、本年度はさらにVEGF-Dの発現に加えてVEGF-CおよびVEGF-Dの受容体であるVEGFR-3の発現についても検討した。VEGF-DとVEGF-Cの両者を発現している腫瘍でリンパ節転移が多く見られることに加えて、VEGF-CとVEGFR-3の両者を発現している腫瘍においてもリンパ節転移を来し易い傾向を認めた。 上咽頭由来細胞にレトロウイルスを用いたLMP1発現ウイルスベクターを感染させ、恒常的にLMP1を発現する細胞を作成した。LMP1発現細胞におけるVEGF-C発現をウエスターンプロット法を用いて誘導の有無を確認した所、恒常的にLMP1を発現している細胞においてもVEGF-Cの発現増加が認められた。同細胞をヌードマウスの上咽頭に移植しようと試みた所、細胞増殖が盛んで転移を起こす前に腫瘍のサイズが増大するため、現在は移植する細胞数を減らして、マウス所属リンパ節転移の有無について検討中である。適切な条件が得られるにはもうしばらく検討を要する見込みである。 マウス胸管を用いたリンパ管新生モデルについては、現在、準備中である。 さらに現在、上咽頭由来細胞にGFP標識VEGF-C発現ベクターを感染させ、蛍光腫瘍リンパ節転移モデルの作成を準備中である。
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