2011 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアッセイモデルによる上咽頭癌リンパ節転移機構に関する研究
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21592189
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
脇坂 尚宏 金沢大学, 附属病院, 講師 (70377414)
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Keywords | EBV / LMP1 / 上咽頭癌 / リンパ管新生 / リンパ節転移 / 動物モデル / VEGF-C / 胸管 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、上咽頭癌標本におけるリンパ管新生因子およびその関連因子の発現に関するさらに詳細な検討を行った。昨年度は新生リンパ管の数、リンパ節転移の程度および腫瘍細胞によるVEGF-C発現の程度、VEGF-Dの発現の程度との相関を検討し、有意な相関を認めることが判明した。本年度はさらにVEGFR3との相関についても詳細な検討を行い、有意な相関を得た。まず、この時点で、データのとりまとめを行い英文誌へ投稿し、すでに受理された。 上咽頭由来細胞にレトロウイルスを用いたLMP1発現ウイルスベクターを感染させ、恒常的にLMP1を発現する細胞を作成した。LMP1発現細胞におけるVEGF-C発現をウエスターンブロット法を用いて誘導の有無を確認した所、恒常的にLMP1を発現している細胞においてもVEGF-Cの発現増加が認められた。同細胞をヌードマウスの上咽頭に移植しようと試みた所、細胞増殖が盛んで転移を起こす前に腫瘍のサイズが増大するため、現在は移植する細胞数を減らして、マウス所属リンパ節転移の有無について検討中である。しかし、臨床症例ではLMP1の発現とVEGF-C発現に相関を認めなかった。今後は上咽頭癌のリンパ管新生に関するVEGF-C以外の因子について検討を進めていく予定である。 併せて、舌癌pNO症例における所属リンパ節におけるリンパ管新生の程度の予後に関する検討を行い、リンパ管新生が起こっている症例では後発リンパ節転移が多い事を見いだし、現在投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上咽頭癌におけるVEGF-C誘導について、vitroのデータの実際の臨床症例に関するデータに乖離を認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後上咽頭癌におけるVEGF-C以外(例えばVEGF-D)の誘導機構の解明についても取り組んでいく予定である。
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