2012 Fiscal Year Annual Research Report
バイオアッセイモデルによる上咽頭癌リンパ節転移機構に関する研究
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21592189
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
脇坂 尚宏 金沢大学, 大学病院, 講師 (70377414)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | EBV / LMP1 / VEGF-C / リンパ管新生 / リンパ節転移 / 上咽頭癌 / 舌癌 / センチネル・リンパ節 |
Research Abstract |
上咽頭癌は初診時に高率に既にリンパ節転移を来しており、予後不良の一因となっている。本研究では、上咽頭癌のリンパ節転移にリンパ管新生が関連していると想定し、まず、上咽頭癌組織標本におけるリンパ管数とN因子の相関について検討した。その結果、組織内リンパ管数とN因子の進行が有意に相関していることが判明した。さらに、代表的リンパ管新生因子である血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor, VEGF)-C、および、その受容体であるVEGF receptor-3 (VEGFR3)の発現について検討した所、上咽頭癌組織におけるこれらのリンパ管新生因子の発現とN因子の進行、リンパ管数も有意に相関することが判明した。以上から、上咽頭癌では、腫瘍細胞においてリンパ管新生因子が発現しており、その結果、リンパ管数が増加してリンパ節転移が促進される機構が存在する可能性が示唆された。しかし、上咽頭癌におけるEBV潜伏感染の存在、さらには潜在膜蛋白の発現とリンパ管新生因子の発現については、in vivo、in vitro双方において期待した結果は得られず、EBV潜伏感染と上咽頭癌のリンパ管新生については有意な結果は得られなかった。 そこで上咽頭癌に限らず、頭頸部癌のリンパ管転移におけるリンパ管新生の役割について検討することにした。舌癌症例について、予防的頸部郭清術後のpN0リンパ節のリンパ管新生を検討した所、後にリンパ節転移再発を来した症例ではpN0であっても既にリンパ管数が増加していることが判明した。さらに、リンパ節におけるリンパ管数と原発巣におけるリンパ管新生因子(VEGF-C, D)の発現が有意に相関していることが判明した。以上から、舌癌のリンパ節転移が成立するまでに、所属リンパ節では既にリンパ管新生が起こっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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