2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592192
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平野 滋 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (10303827)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 眞一 京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (30324643)
楯谷 一郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (20526363)
|
Keywords | 喉頭 / 声帯 / 再生 / 幹細胞 / 損傷治癒 / FACS / SP細胞 / 表面マーカー |
Research Abstract |
声帯粘膜からのSP細胞の分離をすすめている。 1.FACSによる声帯粘膜からのSP細胞を分離後、回収し表面マーカーによる特徴抽出をすすめているが、回収細胞の生存性が予想より低く、現在その細胞の品質評価を行っている段階である。 2.SP細胞の声帯粘膜損傷後の役割についてラットモデルで検討を行っている。ラット声帯粘膜を損傷後に、1週間ごと、6週までの各タイムポイントで喉頭を摘出、SP細胞のマーカーであるABCG染色を用いてSP細胞の同定をおこなった。その結果、正常粘膜における発現は黄斑部において高く、ラインケ腔において低かったが、ラインケ腔における損傷後にはこの部位のSP細胞の発現が1週目で増大、その後は低下していった。SP細胞が損傷後比較的早期の段階で発現することがわかり、今後さらにこれらの細胞発現の意義づけをおこなっていく予定である。 3.研究成果の意義:声帯粘膜はいったん破綻すると発声障害から失声へといたるが、そこには創傷治癒機構、組織再生機構の理解が必要である。これまでは粘膜内の線維芽細胞や細胞外マトリックス、サイトカインなどが主に注目を集めて研究されてきたが、これでは説明できない現象が多々あった。本研究では声帯組織再生における幹細胞の役割を見出そうとするものであり、今後の声帯再生研究においてきわめて重要な課題と考える。また、これらの機構解明により新たな治療戦略を発明することが可能である。
|
Research Products
(14 results)