2009 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部がんの浸潤・転移に対するWnt/SnailシグナルとMMPの制御
Project/Area Number |
21592203
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
家根 旦有 Kinki University, 医学部, 教授 (40220199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 武雄 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60094554)
太田 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00326323)
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Keywords | 頭頸部がん / 浸潤・転移 / Wnt / Snail / Snail / MMP |
Research Abstract |
亜鉛要求性(Zinc-finger)転写因子Snail1は、癌細胞の上皮-間葉転換:Epithelial-mesenchymal transition(EMT)を促進させ、浸潤・転移能を獲得させると考えられている。そこで、Wntシグナル伝達がSnail1を介しEMTを誘導し、癌の浸潤能を獲得させるのではないかと考え、EMTの現場におけるSnanllの他の遺伝子に及ぼす影響について検討した。今年度に行った実験では、ヒト癌細胞の動きをモニタリングするプラットフォームとしてcollagen invasion assayを用い、EMTを誘導された癌細胞において、膜結合型であるMT1-MMPおよびMT2-MMPが、MMP-2やMMP-9などの分泌型MMPにはない癌浸潤・転移能、血管新生能を発揮していることを見出した。すなわちSnail1の発現が誘導されると、それまで浸潤能を有していなかった癌細胞にMT1-MMPとMT2-MMPの発現が誘導され、癌細胞の浸潤、増殖および血管新生が引き起こされることが分かった。一方、MT-MMPsをRNAiでknock-downすることで、Snail1による癌細胞の浸潤、転移、および血管新生を抑えることができた。以上の結果より、Snail1により誘導されたMT1-MMPとMT2-MMPが協調的にはたらき、癌細胞の浸潤、転移に直接的に関与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)