2010 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌における新しい転移関連遺伝子の検討と早期診断システムの開発
Project/Area Number |
21592204
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田村 真司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10244724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 昇 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
保冨 宗城 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90336892)
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Keywords | 頭頸部癌 / 転移関連遺伝子 / 早期診断 |
Research Abstract |
【はじめに】頭頸部癌の予後に関して、全生存率と無病生存率を左右する最も重要な因子は頸部リンパ節転移であると報告されている。頸部リンパ節転移は原発部位によって異なるが50~80%と非常に高率である。頭頸部癌の治療方針を決定するために原発腫瘍の転移能力を測定することは重要である。そこで今回我々は頭頸部癌における転移を制御する候補遺伝子としてMAL(T-lymphocyte maturation-associated protein)について検討を行った。頭頸部扁平上皮癌患者の原発と転移腫瘍より樹立された細胞株について各遺伝子の発現およびメチル化状態を解析して、転移との関係の有無を検索した。 【方法】材料として頭頸部扁平上皮癌患者の原発と転移腫瘍より樹立された8組の細胞株および転移腫瘍由来の25株を使用した。各細胞株からRNAを抽出し、RTおよびPCRによってmRNAの発現を検討した。また、発現低下のある培養細胞に脱メチル化剤5-aza-dCを72時間処理し、メチル化の影響を検索した。 【結果】MAL遺伝子の発現は転移腫瘍由来の33株のうち20株(60%)で減少していた。また、8組の原発と転移腫瘍由来の細胞株での発現の比較では、4株の転移腫瘍で減少していた(50%)。さらに、メチル化の影響を検索した13株のうち、7株が脱メチル化剤によりMAL遺伝子の発現の増加が認められた。 【考察】転移腫瘍由来の細胞株においてMAL遺伝子の高頻度の発現減少およびプロモーター領域のメチル化が認められた。以上より、MAL遺伝子は転移抑制遺伝子として働く可能性が示唆された。
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