2010 Fiscal Year Annual Research Report
上気道感染症難治化へのインフルエンザ菌、溶連菌の細胞内侵入機序と治療に関する研究
Project/Area Number |
21592205
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
戸川 彰久 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70305762)
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Keywords | インフルエンザ菌 / 溶連菌 / 細胞内侵入 / 急性副鼻腔炎 / 急性中耳炎 |
Research Abstract |
急性扁桃炎はA群β溶連菌やインフルエンザ菌の感染と深く関連しているが近年、ペニシリン系抗菌薬あるいはセフェム系抗菌薬などの経口抗菌薬の投与にも関わらず、臨床症状が十分に改善しない症例や再発・再燃を繰り返す症例も増加している。 急性扁桃炎の難治化、反復感染の原因の一つとして細菌のバイオフィルム形成などとともに起炎菌が宿主上皮細胞内に侵入し、抗菌薬が細胞に到達できず除菌されないことが注目されている。 242例(急性扁桃炎170例、急性鼻・副鼻腔炎51例、急性中耳炎21例)の非侵襲性溶連菌感染症患者より分離された溶連菌242株および侵襲性溶連菌感染症患者より分離された17株を用い、細胞内侵入に関与すると考えられているspeA、speB、speC、speF、speG、speH、speJ、ssa、smeZ遺伝子の検討を行った。 242株の非侵襲性感染症分離株では、12.0%にsil遺伝子が検出された。すべてのsil遺伝子陽性株では、speB遺伝子陽性であり、69.0%でspeC遺伝子陽性であった。一方、17.7%の侵襲性感染症分離株でsil遺伝子陽性であった。76.5%のsil遺伝子陽性株ではspeA遺伝子を有していたが、sif遺伝子陰性株では、すべての株でspeA遺伝子は陰性であった。また、すべてのsil遺伝子陽性株ではazithromycinに感受性を示し、マクロライド耐性遺伝子は保有していなかった。
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Research Products
(4 results)