2011 Fiscal Year Annual Research Report
癌関連抗原TEX101の頭頸部癌細胞浸潤制御能及びその臨床応用に関する検討
Project/Area Number |
21592206
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
吉武 洋 順天堂大学, 医学研究科, 助教 (00396574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 慶彦 順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (70250933)
横井 秀格 杏林大学, 医学部, 准教授 (80317487)
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Keywords | TEX101 / 頭頸部癌 / 癌・精巣抗原 / 癌マーカー |
Research Abstract |
これまで我々は精子形成過程における詳細な分子機構を解明する目的で研究を行ってきたが、その過程で新規の生殖細胞マーカータンパク質であるTEX1O1を発見した。本分子は、1)雌雄生殖細胞の発生段階で発現パターンが変化すること、2)生殖細胞以外の正常組織には発現が認められないことから、配偶子形成あるいは受精過程に重要な役割を果たしていると考えられる。さらに興味深いことに、TEX1O1は遺伝子レベルでは生殖細胞だけでなく肺小細胞癌にも発現しており、新規の癌関連抗原(癌・精巣抗原)であることが報告されている。しかし本分子の癌細胞におけるタンパク質としての発現、及び生物学的な意義については依然不明のままである。本研究はTEX101の細胞生物学的な機能を明らかにし、さらに頭頸部癌での本分子の診断・治療における有用性を検討することを目的としている。まず我々は頭頸部癌細胞における本分子のタンパク質としての発現の有無を調べるために、抗ヒトTEX101多クローン抗体を作製し、本抗体を用いて頭頸部扁平上皮癌組織を免疫染色した。その結果80.6%の症例で陽性反応が認められた。さらにTEX101発現の有無と各臨床症状との関連を解析したところ、性別・年齢・原発部位・腫瘍サイズとは関係性を認めなかったが、頸部リンパ節転移症例において本分子の発現頻度が低下している傾向を認めた。今後さらに症例数を増やし、TEX101の発現の有無と予後・化学療法の有効性等との関連を統計学的に解析する予定である。さらに現在、本分子の生物学的機能を明らかにするためにTEX1O1発現細胞株の樹立と遺伝子欠損マウスの作製を試みている。
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