2010 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部がんにおける表皮成長因子受容体ファミリー遺伝子の変異解析とその薬剤感受性
Project/Area Number |
21592207
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
湯坐 有希 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30277090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 孝邦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60147296)
横川 裕一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90468687)
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Keywords | 頭頸部扁平上皮がん / 表皮成長因子受容体 / 遺伝子変異 / 分子標的薬 / ゲノム医科学 |
Research Abstract |
平成22年度は頭頸部扁平上皮がん96検体を用い、表皮成長因子受容体(EGFR)の下流に位置し、重要な信号伝達ネットワークを形成しているK-Ras、B-Raf、PIK3CAについてその遺伝子変異検索を行いました。方法はそれぞれの遺伝子の遺伝子変異のホットスポット、K-Rasにおいてはエクソン1、2、B-Rafにおいてはエクソン15、PIK3CAにおいてはエクソン9、20について遺伝子変異の検索を行いました。 その結果、6検体(6%)で変異を認めました。B-Rafエクソン15の遺伝子変異は今回の解析では認められませんでした。K-Rasの遺伝子変異は3検体から検出され、すべてエクソン1のG12Aというアミノ酸配列を変える一塩基置換でした。PIK3CAの遺伝子変異も3検体から検出されましたが、E454Kというエクソン9の一塩基置換が2検体から、またH1047Rというエクソン20の一塩基置換が1検体から検出されました。これらはすべて他のがん種においてすでに報告されている遺伝子変異でした。 次いで、これら下流分子の遺伝子変異を認めた検体において、EGFRの状態について比較検討しました。その結果、全ての検体においてEGFR蛋白は過剰発現をしておりました。しかし、EGFR蛋白から下流への信号伝達の活性化の有無をEGFR蛋白リン酸化部位のリン酸化状態を用いて検討しましたが、1検体のみ過剰にリン酸化しておりましたが、多くではEGFRからの活性化シグナルは関与していないことが示唆されました。
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