2011 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌におけるPGP9.5の腫瘍増殖抑制メカニズムの解明と臨床応用
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21592212
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構東京医療センター(臨床研究センター) |
Principal Investigator |
徳丸 裕 独立行政法人国立病院機構 東京医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター・聴覚平衡覚研究部, 研究員 (60245579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正人 東京医療センター臨床研究センター, 聴覚平衡覚研究部, 部長 (70129633)
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Keywords | 頭頸部癌 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
ゲノムに書かれた遺伝情報,つまり遺伝子の塩基配列が変化しないにもかかわらず個体発生や細胞分化の過程において遺伝子発現を制御する現象がエピジェネティックスである。癌におけるエピジェネティックな異常には,DNAメチル化の異常,ヒストン修飾の異常,そしてゲノムインプリンティングの異常などがあげられるが,特定の遺伝子や領域では高度にメチル化されており癌化に寄与していると考えられる。我々は頭頸部癌において高頻度にDNAメチル化されている遺伝子、PGP9.5を同定した。これまでに治療を行った頭頸部癌患者の生検サンプルからDNAを抽出し、PGP9.5のDNAメチル化を解析した。対象は頭頸部扁平上皮癌82例(下咽頭癌32例、中咽頭癌21例、喉頭癌29例)で、メチル化の検出はMethylation specific PCR(MSP)法を用いて行った。メチル化は全体で51例(62.2%)に認められ、部位別では下咽頭癌では18例(56.3%)、中咽頭癌では7例(36.8%)、喉頭癌では14例(51.9%)に認められた。また癌抑制遺伝子として重要な働きをしているp16も同様の症例でメチル化されていた。またp53の遺伝子変異は逆相関する傾向が認められた。臨床因子との関連では、PGP9.5のmethylation indexは病期が進行するにつて、高い値を示していた。以上のことから、PGP9.5のメチル化と頭頸部癌の悪性度との関連が示唆された。
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