2009 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素変性の臨床像におよぼす加齢黄斑変性関連遺伝子多型の影響
Project/Area Number |
21592213
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中澤 満 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 教授 (80180272)
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Keywords | 網膜色素変性 / 加齢黄斑変性 / ARMS1遺伝子 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
遺伝性網膜変性疾患の代表疾患である網膜色素変性は進行性の視細胞変性を主体とする難病である。本疾患は原因遺伝子異常にともなう視細胞のアポトーシスないしネクローシスがその本体であると考えられている。その原因遺伝子はこれまでに少なくとも45種類同定されており、遺伝学的に異質性が高い疾患として知られる。また一方で、同一家系で恐らく同一の原因遺伝子によって発症していると考えられる症例でもその重症度や臨床像には差異が見られることがあり、臨床像の異質性も高いことが知られている。これは原因遺伝子以外に臨床像を修飾する何らかの因子の存在を示唆する事象である。加齢黄斑変性関連遺伝子の中でARMS1遺伝子として知られる遺伝子は視細胞ミトコンドリアにて発現するという研究報告がある。これが真実であれば、加齢黄斑変性の発症には視細胞の酸素代謝およびその脆弱性が関与しているという仮説が成り立つ。さらにそのことは網膜色素変性における視細胞の脆弱性に影響を与えるひとつの因子としてARMS1の関与をも示唆する。本研究において網膜色素変性の視野障害の進行速度とARMS1遺伝子多型との関連を調べるため、本研究の倫理審査を研究施設に申請し許可を得た。その結果を受けてノミネート候補患者の視野障害の程度を静的視野測定により定量化することを開始した。次年度にはARMS2遺伝子の多型解析をPCR法と塩基配列決定法により開始できる目途がたった。
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