2009 Fiscal Year Annual Research Report
D-アミノ酸を新たな分子標的とする糖尿病網膜症のメカニズムの解明
Project/Area Number |
21592216
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加治 優一 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50361332)
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Keywords | ラセミ化 / D型アミノ酸 / 糖尿病網膜症 / 瞼裂斑 / climatic droplet keratopathy / 角膜ジストロフィー / TGFBI / アミロイド |
Research Abstract |
【糖尿病網膜症の硝子体手術検体のライブラリー構築】 糖尿病網膜症の硝子体切除検体約200症例を含む,約300症例分の硝子体手術検体を採取し,血糖値・BA1c ・血圧・透析の有無・性別・年齢などのデータを入力することで,世界最大規模の硝子体検体のライブラリーを構築できた.糖尿病網膜症の中でも黄斑浮腫を呈する症例においては,酸価ストレスの亢進とともにVEGFなどのサイトカインの発言が増加していることを明らかにした. 【D型アミノ酸含有タンパク質が引き起こす眼疾患の同定】 D型アミノ酸含有タンパク質が異常凝集を起こすことによって,加齢性変化の代表である瞼裂斑や,赤道部付近における失明の大きな原因であるclimatic droplet keratopathyが引き起こされることを証明し,学術論文に掲載された. 【D型アミノ酸によるアミロイド線維形成過程の評価法の開発】 角膜に混濁が生じ,失明に至る遺伝性疾患である第角膜ジストロフィーにおけるアミロイド線維形成過程をin vitroで評価する系を確立した.さらに角膜ジストロフィーの原因物質であるTGFBIにラセミ化が生じてD型アミノ酸を含むことがアミロイド形成を促進することを証明した.すなわち,TGFBIのラセミ化を抑制することが角膜ジストロフィーの予防につながる可能性を見いだすことができた.
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[Presentation] 鏡の国の眼科学2010
Author(s)
加治優一
Organizer
第73回東京女子医科大学東医療センター眼科集談会
Place of Presentation
東京女子医科大学東医療センター
Year and Date
2010-03-06
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