2011 Fiscal Year Annual Research Report
グリア病としての緑内障性視神経障害の発症解明と治療法探索
Project/Area Number |
21592220
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
柏木 賢治 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (30194723)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間渕 文彦 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (20322125)
地場 達也 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (50402061)
|
Keywords | グリア細胞 / 網膜神経節細胞 / 緑内障 / 神経保護 / 神経再生 |
Research Abstract |
本研究では、網膜の主要なグリア細胞であるミュラー細胞と視神経の主要なグリア細胞であるアストロサイトが網膜神経節細胞(RGC)死に対してどのように作用するかについてRGCの生存、神経突起伸長への関与を中心に検討した。その結果、ミュラー細胞はRGC死の抑制効果が強く、アストロサイトは神経突起伸長の促進作用が強いことを明らかにした。この作用については興奮性伝達物質であるグルタミン酸の細胞外量を調節するグルタミン酸トランスポーター(GLT)の関与について検討した。その結果、主要なGLTであるGLASTはRGC保護的に作用するのに対し、GLT-1はRGC障害性に作用することを見出した。さらにRGCに対するグリア細胞の影響を検討したところ、網膜の主要なグリア細胞であるミュラー細胞はRGC死を軽減するのに対して、視神経の主要なグリア細胞であるアストロサイトは神経突起伸長の促進により効果を示し、グリア細胞によるRGCへの影響に差があることが判明した。この違いを明らかにするために、DNAチップを用いグリア細胞におけるmRNAの発現の比較を行った。その結果、アストロサイトのRGC死や神経突起伸長に関連性が強い遺伝子の特定を行い、EGFR,Gabbr2,Agtrlaなどは保護効果に関与し、Id3、Egr1,Gja1p,App,Nr2f2などは障害効果に強く関与することを見出した。またこれまで困難であった軸索流の可視化をex vivoで可能にするシステムの開発ならびにCFP-Thy1マウスを用いて、ex vivoにおけるRGC死の定量的評価システムの開発を行った。
|