2009 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性の病態解明-光ストレスによる脂質酸化と自然免疫の関与
Project/Area Number |
21592231
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瓶井 資弘 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (40281125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80335364)
辻川 元一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70419472)
坂口 裕和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80379172)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 酸化ストレス / 脂質酸化 / 自然免疫 / 光照射 |
Research Abstract |
加齢黄斑変性の実際の病態に類似した動物モデルを確立するため、低照度長期間光照射により網膜下脈絡膜新生血管(CNV)が誘導されるかを検討した結果、有色マウスでCNVの発生を蛍光眼底造影、および、組織学的、免疫組織化学的に確認した。電子顕微鏡による評価では低照度長期光照射で網膜下腔およびブルッフ膜下へのマクロファージの集積とブルッフ膜の肥厚が生じることが判明した。 また酸化ストレスが蓄積し易いSODノックアウトマウスではより若齢の個体に短期間の照射でCNVが誘発可能であることが分かった。同様の光酸化ストレスを与えたMCP-1-/-およびccr-2-/-マウスではCNVの発生が見られなかったことより、その発症機序に酸化ストレスにより惹起される慢性炎症が関与していることが確認できた。また、MCP-1を加齢黄斑変性の発症誘因候補の1つとして絞ることができ、来年度以降に薬物によるCNV発症抑制効果の検討を行う予定である。 汎用性の高い動物モデル作成のため、硝子体内酸化リン脂質投与による脈絡膜新生血管誘導を試みたが、過度の眼内炎症や白内障などの合併症のため、評価が困難であった。 加齢黄斑変性の発症に自然免疫が関与しているかを検討するためにToll-like receptor関連分子や他の免疫系分子のノックアウトマウスを入手したが、生育が不良のため、実験結果を得られるに足る個体数が得られておらず、来年度以降に検討を行う予定である。レーザー誘導CNVモデルを用いた自然免疫の関与の検討に関しては、誘導前にLPS刺激を行うことで、CNVのサイズが有意に抑制されることを見出し、不顕性感染などを介した自然免疫不活化が発症に抑制的に関与している可能性が示された。
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Research Products
(13 results)