2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592255
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
大路 正人 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 肇 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50294814)
澤田 修 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (00378465)
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Keywords | VEGF / VEGF阻害剤 / 薬物動態 / 硝子体注射 / サル |
Research Abstract |
ベバシズマブ(Be)の投与量を増やすことで、効果期間が延長するかどうかを検討することを目的として実験を行った。カニクイザル3匹の片眼に、通常の5倍量にあたるベバシズマブ(1.25mg/ml/250μg)を硝子体内注射し、注射前、注射後1日、3日、1週、2週、4週、6週に投与眼の前房水を採取した。前房水中のVEGF濃度とベバシズマブ濃度をELISAを用いて測定した。通常の5倍量のベバシズマブ投与では注射翌日には前房水VEGF濃度は測定感度以下に低下し、投与後4週まで測定感度以下であり、以前に報告した通常量ベバシズマブ投与と比べ効果期間の有意な延長はみられなかった。投与眼の前房水中のベバシズマブの半減期は5倍量で2.9日、以前報告した通常量の2.8日と変わりなかった。ベバシズマブの硝子体内投与において量を5倍に増やしても効果期間の大きな延長は期待できないと考えられた。 増殖糖尿病網膜症に対する硝子体手術の術前に、安全に手術を行うためベバシズマブの術前投与が試みられている。通常臨床1.25mg/mlのベバシズマブが硝子体内投与されているが、ベバシズマブ硝子体内投与における必要最低量を把握することを目的に実験を行った。カニクイザル3匹の片眼に、通常の1/1000量にあたるベバシズマブ(1.25μg/ml)を硝子体内注射し、注射前、注射後1日、3日、1週、2週に投与眼および非投与眼の前房水中VEGF濃度を測定した。有意なVEGFの低下が無ければ効果なしと判定し、投与量を5倍ずつ上げて再度同様の実験を行い、有意な低下が認められるまで行った。有意なVEGFの低下が見られたのは、通常の1/200量(6.25μg/ml)の濃度からであった。術前投与でベバシズマブを使用する場合には通常の1/200量である6.25μg/mlの濃度までは減らすことが可能ではないかと推察された。
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