2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21592255
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
大路 正人 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 肇 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50294814)
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Keywords | VEGF / VEGF阻害薬 / bevacizumab / 硝子体注射 / 薬物動態 / サル |
Research Abstract |
無硝子体眼におけるVEGFおよびbevacizumabの薬物動態を検討した。カニクイザルの片眼に硝子体切除術および水晶体切除術をおこなった。3匹3眼では水晶体嚢を保存し、別の3匹3眼では水晶体嚢も完全の除去した。硝子体手術の影響を除去するために手術から3か,月間観察し、安定していることを確認した上で、カニクイザル6匹の無硝子体眼に臨床で通常用いられている投与量であるbevacizumab (1.25mg/0.05ml)を硝子体内投与した。投与前、投与翌日、3日目、1週目、2週目、4週目、8週目に投与眼の前房水を採取し、VEGFならびにbevacizumabの濃度を測定し、眼内の薬物動態を検討した。眼内VEGF濃度およびbevacizumab濃度の薬物動態に水晶体嚢の有無により2群間での差を検討したが、両群間に差を認めなかったので、両群を合わせた6匹6眼について解析した。 硝子体手術前には前房水VEGF濃度は81.7±27.Opg/mlであったが、硝子体手術3か月後のbevacizumab投与直前には51.4±20.5pg/mlと有意に低下していた。bevacizumab投与7日目までは全例で前房水VEGF濃度は測定下限未満に低下していた。投与2週後には前房水検出できるようになり、4週後には40.4±28.4pg/mlとなり、投与前と有意な差を認めなくなった。無硝子体眼におけるBevacizumabの半減期はL5±0.6日であり、以前に報告したカニクイザルの正常眼でのbevacizumabの半減期2.8±0.6日に比べ、有意に短縮していた。 無硝子体眼では正常眼に比べ、前房水VEGF濃度が低下しており、硝子体手術が黄斑浮腫に有効である原因のひとつである可能性を示した。また、無硝子体眼では硝子体内に投与されたbevacizumabの半減期が短く効果の期間が短縮されることが判明した。
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