2009 Fiscal Year Annual Research Report
炎症制御を主眼とした難治性角結膜疾患の器官再生的病態探索と分子治療法の開発
Project/Area Number |
21592258
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
宮崎 大 Tottori University, 医学部附属病院, 講師 (30346358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 幸次 鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)
馬場 高志 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (40304216)
池田 欣史 鳥取大学, 医学部, 助教 (10444639)
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Keywords | アレルギー性結膜炎 / 角膜 / ヘルペス |
Research Abstract |
眼表面疾患の炎症制御にかかわるそれぞれの構成要素として角膜上皮、角膜内皮、結膜に着目した。まず、これらの構成要素が炎症刺激に対していかなる応答をするのかを全ゲノムレベルで解析を行った。たとえば、代表的な感染刺激である単純ヘルペスウイルス(HSV)感染に対しては、角膜上皮、内皮ともトランスクリプトームレベルにおいてそれぞれ固有の反応を示した。角膜上皮の場合、炎症刺激に対してIL-6を中心とした転写ネットワークが発動され、これにより、血管新生および組織再生に関与するサイトカインが誘導されることが判明した。一方、角膜内皮の炎症応答トランスクリプトームにおいては抗原提示機能が重要であることを示唆するネットワークモデルが構築された。なかでも、組織障害に対するセンサーとして角膜内皮の場合TLR9が重要であることがわかってきた。これに対する応答はRANTES, IP-10といったCC-ケモカイン応答のみならず、組織再生にも関与しえるMCP-1誘導も引き起こした。HSV感染の場合、これらの下流制御シグナルとしてNF-κB経路活性化は、HSV自体の増殖にも関与することが判明してきた。慢性眼炎症モデルとしてのアレルギー性結膜炎の転写ネットワークを用いた解析からは、組織再生にも関与しえるMCP-1を介した経路に加え、代表的な制御機構としてNF-κB経路が確認された。とくに全身的な炎症性サイトカイン誘導にかかわるサブセットとしてB細胞の重要性が浮かび上がってきた。さらにB細胞は炎症制御の役割を持つことも判明してきた。
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Research Products
(7 results)