2011 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性結膜疾患発症におけるマクロファージの関与
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21592259
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
福島 敦樹 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (40281737)
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Keywords | アレルギー / 結膜 / 抗原提示細胞 / FcεRIα / 好塩基球 / T細胞 / マクロファージ / 好酸球 |
Research Abstract |
一昨年度までの研究でマクロファージやFcεRIαを発現する好塩基球は抗原提示に関与することを明らかとした.昨年の報告書に次の二つの課題を挙げた.1)FcεRIα陽性細胞が抗原提示をする場所は全身の免疫組織か,結膜局所かを検討する。2)FcεRIα陽性細胞がアレルギー炎症のエフェクターとして働いているかどうかを検討する.昨年度に行った研究結果から,1)抗原提示は基本的に全身のリンパ組織で行われており,結膜局所で行っている可能性は極めて低いこと,2)マウスアレルギー性結膜炎では効果相に抗FcεRIα抗体を投与しても結膜炎に影響を与えないことから,好塩基球はエフェクター細胞として働いている可能性は低いこと,の2点が明らかとなった.アレルギー性結膜炎を誘導するためにアジュバントとして通常はアラムを用いる.アジュバントの影響を検討するために完全フロイントアジュバントを用いて結膜炎を誘導し,抗FcεRIα抗体を投与し結膜炎に及ぼす影響を評価した.アラムをアジュバントとして免疫された場合には抗FcεRIα抗体の投与により結膜炎は抑制されたが,完全フロイントアジュバントを用いた場合には抗FcεRIα抗体による結膜炎抑制効果は認められなかった.これらの結果から,Th2応答が誘導される系では好塩基球が抗原提示細胞として働くが,Th1応答が主に誘導される系では好塩基球ではなく樹状細胞やマクロファージが抗原提示細胞として働くことが明らかとなった.
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