2009 Fiscal Year Annual Research Report
網膜障害後の視覚野の形態学的機能的変化及びその薬理学的治療
Project/Area Number |
21592262
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
原 英彰 Gifu Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (20381717)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 眼科 / 緑内障 / 眼圧 / サル |
Research Abstract |
本研究の目的は、外側膝状体(LGN)及び上丘(SC)における機能的変化にを明らかにすることによって、緑内障などの網膜疾患の視野障害のメカニズムを解明することにあった。具体的には、アルゴンレーザー誘発サル高眼圧モデル外側膝状体(LGN)神経障害に対する小胞体(ER)ストレスの関与を検討した。実験方法は以下のとおりである。眼圧上昇は、カニクイザル左眼隅角部の線維柱帯アルゴンレーザー光凝固焼灼を行い誘発させた。レーザー照射0から24週間後に眼底写真の撮影を行い、その後、脳を経時的に摘出し、切片を作製した。LGN神経細胞数及び細胞体の面積は、抗parvalbumin抗体を用いて免疫染色を行い測定した。LGN細胞死の定量的解析は、terminal deoxynucleotidyl transferase-mediated dUTP nick end labeling (TUNEL) TUNEL染色を行い、その陽性細胞数を測定した。LGN細胞死に対するERストレス関連タンパク質の関与を調査するために、抗polyubiquitin、抗phosphorylation of eukaryotic initiation factor 2α (p-eIF2α)及び抗C/EBP-homologous protein (CHOP)抗体を用いて免疫染色を行った。その結果、高眼圧サル視神経投射領域である対側のLGNの1、4、6層及び同側のLGNの2、3、5層においてparvalbumin陽性神経細胞数及び細胞体の面積は、アルゴンレーザー照射4週間後から有意な減少が認められた。これらの領域において、TUNEL、polyubiquitin、p-eIF2α及びCHOP陽性細胞数がアルゴンレーザー照射11から24週間後に増加した。これらの結果より、サル高眼圧モデル外側膝状体の神経細胞死機序に小胞体ストレスが関与していることを見出した。さらに、小胞体ストレス応答を標的とした治療が、緑内障における神経保護に有用である可能性を見出した。
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Research Products
(4 results)