2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイを用いたベーチェット病に対する抗TNF-a抗体治療の作用機序の解析
Project/Area Number |
21592263
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
岡田 アナベル あやめ Kyorin University, 医学部, 教授 (50303962)
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Keywords | 生物学的製剤 / 抗TNF-a抗体 / ベーチェット病 / ぶどう膜網膜炎 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
目的:失明率の高い難治性のぶどう膜網膜炎であるベーチェット病に対して、2007年1月より生物学的製剤である抗TNF-α抗体(インフリキシマブ)が保険適応され、その有効性が報告されている。その一方で、抗TNF-α抗体治療の作用メカニズムについては不明な点が多い。今回、申請者はベーチェット病抗ぶどう膜網膜炎における抗TNF-α抗体療法の作用機序を明らかにするため、マイクロアレイの手法を用いてインフリキシマブ治療前後の末梢血サンプルにおける網羅的な遺伝子発現解析を施行した。 方法:ベーチェット病患者(4例:男性1例、女性3例)からインフリキシマブ投与開始前と投与開始18週間後に末梢血20mlを採取。比重遠心法にて単核球を分離後、total RNAを抽出。吸光度計にてOD値を測定し、RNAの収量を確認後、CodeLink human gemone arrayにて治療前後の末梢血単核球の遺伝子発現量を比較した。 結果:インフリキシマブ治療開始後に2倍以上の発現上昇がみられた遺伝子数は1例目:794、2例目:951、3例目:3147、4例目:1361であった。一方で、1/2以下の発現低下がみられた遺伝子数は1例目:1296、2例目:778、3例目:2701、4例目:1002であった。特に代表的な炎症性サイトカインであるIL-1、IL-2、IFN-gamma関連遺伝子群の発現の低下が4例全例の患者でみられた。炎症関連ケモカイン遺伝子の発現上昇、低下については各症例間にばらつきがみられた。 結論:インフリキシマブ治療前後において炎症性サイトカインの遺伝子発現の低下がみられた。今後は上記4例において発現の上昇、低下がみられた遺伝子について定量PCR法を用いて、その発現量について確認を行う予定である
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Research Products
(4 results)