2009 Fiscal Year Annual Research Report
再生に向けたヒト人工多能性幹細胞を用いた網膜変性疾患の病態解明
Project/Area Number |
21592265
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小沢 洋子 Keio University, 医学部, 講師 (90265885)
|
Keywords | 網膜 / 視細胞 / 再生 / iPS / 神経保護 |
Research Abstract |
再生に向けたヒト人工多能性幹(iPS)細胞を用いた網膜変性疾患の病態解析をするためには、iPS細胞からの網膜細胞への分化誘導系を、申請者の研究室で立ち上げる必要があった。これに対し、申請者は平成21年度にまず、既存のiPS細胞(山中研究室より供与された253G1細胞および201B7細胞)を用い、既報を元に網膜細胞を分化誘導することに成功した。浮遊培養と接着培養を組み合わせた方法である。分化誘導された細胞で、Pax6などの特徴的転写因子、ロドプシンなどの特異的マーカーを発現していることを確認した。 さらに、患者皮膚細胞を採取し、皮膚細胞に山中4因子をレトロウイルスで導入することで、患者細胞由来iPS細胞を樹立した。iPS細胞では、遺伝子導入部位などにより、その性質に株間のばらつきがある可能性があった。そこで50ラインの患者由来iPS細胞を樹立した。そして、その一部を用いて、トランスジーン(4因子)の検定等、iPS細胞の性質を解析した。その方法は共同研究者の岡野栄之教授より伝授された。その結果、樹立した細胞株の少なくとも一部では、iPS細胞への適切な誘導がなされていることが明らかになった。患者遺伝子を有した皮膚由来のiPS細胞の樹立は、遺伝子異常疾患の病態解明のために重要な部分であり、この樹立に成功したことは意義深い。今後はこの細胞を用いて、患者由来iPS細胞から網膜細胞を誘導する研究に移行する予定である。
|
Research Products
(10 results)
-
-
-
-
[Journal Article] Involvement of Hyaluronan and Its Receptor CD44 with Choroidal Neovascularization2009
Author(s)
Mochimaru H, Takahashi E, Tsukamoto N, Miyazaki J, Yaguchi T, Koto T, Kurihara T, Noda K, Ozawa Y, Ishimoto T, Kawakami Y, Tanihara H, Saya H, Ishida S, Tsubota K.
-
Journal Title
Invest Ophthalmol Vis Sci. 50(9)
Pages: 4410-4415
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Retinal phototoxicity in a novel murine model of intraocular lens implantation2009
Author(s)
Kurihara T, Omoto M, Noda K, Ebinuma M, Kubota S, Koizumi H, Yoshida S, Ozawa Y, Shimmura S, Ishida S, Tsubota K.
-
Journal Title
Mol Vis. 15
Pages: 2751-2761
Peer Reviewed
-
-
-
-
-