2009 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルス眼感染症の新しい薬物治療の開発と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
21592269
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
内尾 英一 Fukuoka University, 医学部, 教授 (70232840)
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Keywords | アデノウイルス / 抗ウイルス薬 / ザルシタビン / 急性結膜炎 / スタブジン |
Research Abstract |
[目的]マウス肺炎モデルを使用して,in vitroで有効性が確認された薬物に対する治療反応をin vivoで検討した。 [方法]動物としてはGuinea pigを用いた。感染ウイルスには呼吸器感染ではB種ないしC種が主となり,臨床的にも重篤であるが,これはわが国では結膜炎をほとんど起こさないという特徴があるため,C種のアデノウイルス5型および8,37型の複数血清型の感染モデルとした。A549細胞で培養して,十分な力価となったウイルス液を,経鼻的に肺へ吸入させる。In vitroの抗アデノウイルス作用が確認されたザルシタビン,スタブジンおよびシドフォビルを投与開始日を感染前後でいくつかのパターンとした治療スケジュールで全身投与し,発症が抑制されるかどうかを,血中のアデノウイルスDNA量を採血しながらモニタリングし,real-time PCR法で経時的に解析した。 [結果]いずれの血清型も無治療の状態では全身感染が成立した。抗ウイルス薬の予防的投与を行った場合,いずれの薬剤でも有意なウイルスDNAの抑制がみられた。また感染後からの投与ではザルシタビン,スタブジンは全ての血清型でウイルスDNAコピー数の減少がみられたが,シドフォビル投与群では有意な減少は8および37型ではみられなかった。 [結論]抗アデノウイルス作用がin vitroで示されている抗ウイルス薬の感染前投与は全身的に有用であるが,ザルシタビン,スタブジンに比して,シドフォビルの感染後投与はD種に対しての効果が弱かった。
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[Journal Article] A large prospective observational study of novel cyclosporine 0.1% aqueous ophthalmic solution in the treatment of severe allergic conjunctivitis2009
Author(s)
Ebihara N, Ohashi Y, Uchio E, Okamoto S, Kumagai N, Shoji J, Takamura E, Nakagawa Y, Nanba K, Fukushima A, Fujishima H
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Journal Title
J Ocul Pharmacol Ther 25
Pages: 365-371
Peer Reviewed
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[Journal Article] アデノウイルス結膜炎院内感染対策ガイドライン2009
Author(s)
塩田洋, 大野重昭, 青木功喜, 安積淳, 石子博昭, 井上幸次, 薄井紀夫, 内尾英一, 金子久俊, 熊倉重人, 田川義継, 谷藤泰寛, 中川尚, 日隈陸太郎, 山崎修道, 横井則彦
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Journal Title
日本眼科学会雑誌 113
Pages: 25-46
Peer Reviewed
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