2010 Fiscal Year Annual Research Report
培養真皮臨床試験および複合型培養皮膚の臨床試験に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
21592285
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森本 尚樹 京都大学, 医学研究科, 助教 (40378641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂彦 京都大学, 医学研究科, 教授 (30187728)
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Keywords | 培養真皮 / 臨床試験 / 複合型培養皮膚 |
Research Abstract |
培養真皮は、播種培養された線維芽細胞が産生する種々の成長因子(VEGF,FGF,HGFなど)及び細胞外マトリックスが創傷治癒を促進する効果があり、皮膚難治性潰瘍治療に有効であるとされている。我々も前臨床試験で培養真皮の創傷治癒促進効果を確認している。この培養真皮を臨床使用する上で培養過程に用いる動物由来成分が安全性の点で問題となる。我々は培養過程に動物由来成分を用いない培養法、すなわち2%患者自己血清添加無血清線維芽細胞増殖培地(HFDM-1)を用いた培養方法を平成21年度からの研究で確立した。この方法では患者自己線維芽細胞の初代培養および基材となる人工真皮に播種後の培養共にウシ血清添加培地と同様に使用できることを確認した。本法を用い、京都大学医学部附属病院のGMP準拠培養施設で作製した自家培養真皮の有効性と安全性を確認する臨床試験、第I-II相試験「自家培養真皮を用いた糖尿病性潰瘍に対する創床形成療法の安全性と臨床効果の検討」を今年度も続行した。今年度は5例の患者の試験が終了し、この結果の取りまとめ、中間解析を行った。この結果、5例すべてで創傷改善が得られており、また、培養真皮に起因すると思われる有害事象も認めなかった。以上の結果を踏まえ、本治療法を先進医療に申請した。複合型培養皮膚の作製方法の改良も行っており、2%ヒト血清添加無血清線維芽細胞増殖培地(HFDM-1)を用いてもウシ血清添加培地と同様に培養皮膚が作成できることを確認した。今後臨床試験を行うことを目標に研究を進めていく方針である。
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