2011 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚三次元培養組織による慢性皮膚潰瘍再上皮化の実験
Project/Area Number |
21592293
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 康俊 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20325963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝戸 裕貴 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20222581)
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Keywords | 細胞・組織 / 創傷治癒 |
Research Abstract |
褥瘡、糖尿病性潰瘍、虚血性潰瘍など難治性の慢性皮膚潰瘍では、肉芽創面での上皮化が遷延する。創傷治癒過程における表皮角化細胞の増殖と分化による上皮化は、生体内では肉芽創面に存在する線維芽細胞との細胞間相互作用に大きく関与していると考えられる。本研究では皮膚三次元培養組織による創傷治癒モデルを用い、細胞増殖因子の発現・反応の違いに焦点を当て、正常皮膚と慢性潰瘍部における再上皮化の相違を検討することを目的としている。 平成23年度は、慢性潰瘍を生じやすい老化した皮膚を想定し、継代培養を重ねた線維芽細胞による皮膚モデルを作製した。線維芽細胞とコラーゲンマトリックスからなる真皮モデルでは、マトリックスの収縮が抑制された。同皮膚モデルでは、表皮層の形成が2-3層と正常線維芽細胞に比較して重層化が抑制された。培養日数による影響はなかった。創傷治癒モデルにおける再表皮化は、表皮細胞が遊走するのに要する時間が延長し、重層化が十分でなかった。既知の増殖因子では、創傷治癒モデルにおいて、bFGF外用で表皮細胞の遊走が促進されたが(優位差はなし)、正常線維芽細胞による再表皮化よりは劣っていた。皮膚モデルおよび創傷治癒モデルにおける表皮層形成(重層化)は促進されなかった。表皮角化細胞は、無血清培養では継代培養により増殖能が低下し、表皮層の慢性潰瘍モデル(継代培養線維芽細胞真皮および正常線維芽細胞真皮)の組織は構築されなかった。
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