2009 Fiscal Year Annual Research Report
cAblチロジンキナーゼ抑制によるケロイドの新しい分子治療の確立と発症機序の解明
Project/Area Number |
21592297
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
M Ghazizadeh Nippon Medical School, 老人病研究所, 准教授 (30190979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土佐 眞美子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30301568)
清水 一 日本医科大学, 老人病研究所, 研究技術主幹 (60398873)
村上 正洋 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00239500)
金 恩京 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (10312068)
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Keywords | ケロイド / 線維芽細胞 / 皮膚 |
Research Abstract |
<目的>ケロイド病変の発生にはIL-6シグナルが活性化されている事を我々は報告している。IL-6シグナルがTGF-βとPDGFにより誘導されておりケロイドにおいてTGF-βとPDGFが過剰発現していることが報告されていることからTGF-βとPDGFシグナルを同時に抑制する分子標的治療薬STI571(Imatinib mesylate)および分子標的ペプチドPD173955に注目し、新たなケロイド新薬としての可能性を求めてケロイド抑制効果についての検討を行っている。<方法>ケロイド由来線維芽細胞(KF)と正常真皮由来線維芽細胞(NF)を樹立し、細胞外マトリックス関連遺伝子発現およびコラーゲン合成能の解析を行った。KFにおいて(1)STI571とPD173955投与群(2)コントロール群を作成し、STI571(2μM)とPD173955(10nM)濃度で24時間作用させ、その後、各群の細胞からRNA、タンパクを抽出した。細胞外マトリックス関連遺伝子collagen type 1 alpha(COL1A1)、fibronectin 1(FN-1)などの産生能をELISAで解析した。NFについても同様に解析し、KFと比較検討した。STI571(2μM)とPD173955(10nM)の効果についてはKFおよびNFを培養下での創傷への治癒効果の検討のためのwound healing assayを用い更なる検討を行った。<結果>STI571(2μM)とPD173955(10nM)投与群では、NF及びKFともに、細胞増殖能や細胞外マトリックス関連遺伝子発現が抑制された。Wound healing assayでも、STI571(2μM)とPD173955(10nM)投与群において、STI571とPD173955のKFおよびNFに対する増殖抑制効果が明らかになった。以上の結果を第25回日本皮膚外科学会総会にて「Inhibition of keloid fibroblast cell growth by a Src-family-specific tyrosine kinase inhibitor」として発表する。今後はSTI571とPD173955の抑制試験として、recombinant TGF-beta、PDGF-BB(40ng/ml)を作用させその効果の検討を行う。
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