2011 Fiscal Year Annual Research Report
cAblチロジンキナーゼ抑制によるケロイドの新しい分子治療の確立と発症機序の解明
Project/Area Number |
21592297
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
M GHAZIZADEH 日本医科大学, 老人病研究所, 准教授 (30190979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土佐 眞美子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30301568)
清水 一 日本医科大学, 老人病研究所, マネージメントサポートスタッフ (60398873)
村上 正洋 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00239500)
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Keywords | ケロイド / 線維芽細胞 / 皮膚 |
Research Abstract |
<目的>ケロイド病変の発生にIL-6シグナルが活性化されている事を我々は報告している。IL-6シグナルがTGF-βとPDGFにより誘導され、ケロイドにTGF-βとPDGFの過剰発現が報告されている事からTGF-βとPDGFシグナルを同時に抑制する分子標的治療薬STI571(Imatinib mesylate)および分子標的ペプチドPD173955に注目し、新たなケロイド新薬の可能性を求めてケロイド抑制効果の検討を行っている。 <方法>ケロイド由来線維芽細胞(KF)と正常真皮由来線維芽細胞(NF)を樹立し、STI571とPD173955投与後の細胞増殖能の解析は:a)STI571とPD173955の効果を抑制するために、recombinant TGF-beta(10ng/ml)又は、PDGF-BB(40ng/ml)を作用させその効果を検討した。b)MTT assayにより細胞増殖能の解析を行った。Annexin V免疫染色によりcell apoptosisをフローサイトメーターで解析を行った。また、免疫組織化学法をもちいてケロイドにおけるc-Ab1の発現、またPDGF-alpha,TGF-betaと各レセプターの発現にも解析を行った。NFについても同様に解析し、KFと比較検討した。<結果>STI571とPD173955を抑制するとMTT assayにより細胞増殖能に影響は見られず、ELISA法によってコラーゲン産生にも影響は見られなかった。さらに、フローサイトメーターによる解析ではcell apoptosisに影響は見られなかった。また、正常真皮由来線維芽細胞よりケロイドにおけるc-Ab1、PDGF-alpha、TGF-betaとそれぞれのレセプターの過剰発現は免疫染色組織化学的に確認できた。今後はケロイドのマウスモデルを用い、STI571とPD173955の治療の検討を行う予定である。
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Research Products
(5 results)