2009 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症病態におけるサイトカインのバランス機構解析と遺伝子治療の確立
Project/Area Number |
21592301
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤村 淳 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 助教 (00241448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30125306)
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Keywords | 敗血症病態 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
グラム陰性菌(LPS)感染モデル(敗血症病態)におけるTNF-α/IL-6バランス制御の機序抑制因子を分子生物学的、タンパク化学的、および免疫組織学的見地より統合的に解明し、同定された抑制因子を分子生物学的手法で調節し炎症反応の制御を行うことを目的とし本研究をすすめてきた。 本年は以下の方法で実験を行い有用な結果が得られた。 グラム陰性菌(LPS)感染モデル(敗血症病態)におけるTNF-α/IL-6バランス制御の機序,が重要と考えマウスLPS敗血症モデルを作成しDIC治療薬であるrTMを投与することによりTNF-α/IL-6バフンスの制御機構を解明することにより、敗血症に効果があることを示すものである。 【方法】LPS投与による敗血症ラットを作製し、コントロール群は生理食塩水を、治療群はrTMを各々1mg/kg、2mg/kg、4mg/kg投与し、計4群を作製した。 【結果】ELISA法でそれぞれTNF-α、IL-6を測定した。TNF-α、IL-6のいずれもliverとkidneyにおいてコントロール群と4mg/kg群には優位差が認められた。 【考察」rTMはDICの治療薬として開発され、抗DIC作用を示す特徴があるが、今回の結果からTNF-α、IL-6炎症性サイトカインの発現抑制効果が認められたことから、抗炎症作用を有するものと考えられる。来年度は敗血症病態におけるSTAT3とSOCS3の活性化の検討、TNF-αa/IL-6バランスにおけるSTAT3とSOCS3の役割の検討を加え、今後の更なる研究によって作用機序が明らかにされ、敗血症の治療に寄与するものと考えられた。
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