2010 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症病態におけるサイトカインのバランス機構解析と遺伝子治療の確立
Project/Area Number |
21592301
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤村 淳 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00241448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30125306)
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Keywords | 敗血症病態 / TNF-α / IL-6 / TNF-αKO / Western Blotting |
Research Abstract |
獲得免疫系で見られるTh1/Th2バランスに類似して,自然免疫系において感染初期に産生される炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインは相互に作用し合い、自然免疫系の活性化のみならず、それに続く獲得免疫の動向(Th1/Th2細胞の誘導・分化)をも制御する。そこで敗血症病態におけるTNF-α/IL-6バランスに関して、以下の項目を検討した。1.TNF-α欠損におけるIL-6産生に与える影響:(1)TNF-αKOマウスから採取した骨髄樹状細胞にLPS 1μg/ml投与し0,6, 10, 24, 48時間毎にTNF-α、IL-6の濃度を検討。(1)TNF-α:TNF-αは12hrをピークに約7200pg/mlと推移し、48hrでは約2500pg/mlとなった。(2)IL-6:IL-6は48hrで120000pg/mlと推移したが、peek outを認めなかった。(2)TNF-αKOマウス及びWild Typeより採取した骨髄樹状細胞にLPS 1μg/ml投与し0, 6, 10, 24, 48時間毎にTNF-α濃度を検討。TNF-αKOマウスではLPS 1μg/ml投与しても6hrでわずかに検出されているがそれ以外ではほとんど反応がなかった。Wild typeマウスではほぼ12hrをピークに推移した。(3)TNF-αKOマウスより採取した骨髄樹状細胞にrTNF-αを0, 0.1, 1, 10, 100ng/ml投与しさらに2時間後LPS 1μg/ml投与、24時間後にELISA法でTNF-αの濃度を検討。Wild typeマウスでは濃度非依存性に推移したが、TNF-αKOマウスではほぼ濃度依存性に推移し、100ng/mlではWild typeマウスとほぼ同量の20000pg/mlを示した。2.TNF-αおよびIL-6の中和のTNF-α、IL-6産生に与える影響:Wild Typeより採取した腹腔マクロファージおよび骨髄樹状細胞を投与なし、コントロールIgG, mAb TNF-α 10μgとmAb IL-6を10μgずつ投与した3群にLPS 1μg/ml投与し、TNF-αは12時間後、IL-6は24時間後に濃度を検討。(1)TNF-α:TNF-α濃度はrIL6+rTNF-αを添加したものがコントロールと比較しTNF-α発現が低い傾向が認められた。(2)IL-6:IL-6濃度はrIL6+rTNF-αを添加したものがコントロールと比較しTNF-α発現が低い傾向が認められた。現在、Western Blottingにより敗血症病態におけるSTAT3とSOCS3の活性化について検討中で、更なる解明を行う予定である。
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